APOD: 2012 December 21 - Orion over El Castillo
2012年12月22日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。 古代マヤ文明の「チチェン・イッツァ遺跡」にあるEl Castillo(エルカスティージョ)とオリオン座 (マヤでは亀を意味しています)。写真はNASAより引用 立教大学社会学部の生徒たちは幸せだと思う。この学部には阿部さん、実松さんという優れた研究者がいる。 阿部珠理さんはアメリカ先住民(インディアン)研究の日本の第一人者であり、実松克義さんも南米の先住民 のシャーマニズム研究では第一人者である。お二人に共通することは熱い心と卓越した現地調査力、そして 研究者としての冷徹な視点と平衡感覚を併せ持っていることである。 この一人、宗教人類学者である実松克義さんが2000年に書いた「マヤ文明 聖なる時間の書」は、アメリカ大 陸最大の神話「ポップ・ヴフ」を基に多くのシャーマンたちとの対話の中で、マヤの世界観を明らかにしていくこ とだった。 「時間とは生命の瞬間の連続であり、世界に生命を与えるものだ」、ヴィクトリアーノ・アルヴァレス・ファレス(グ アテマラ・マヤ科学研究所の代表者)。 同じ民族のシャーマンでもその世界観や技法は微妙に、或いは大きく異なる。これは沖縄・奄美のユタもそうで あるが、しかしそれは彼らの中に流れる源流の底知れぬ深遠さを逆に教えてくれるのではないだろうか。人智 を超えた大いなる光の流れ(振動)、この光は一つとして同じものはない遺伝子をもつ生命の魂を共鳴させ、 まるで虹のように様々な色を映し出させているのかも知れない。 「マヤ文明 聖なる時間の書」、私のサイトに書いた当時の感想を以下に引用します。 ☆☆☆☆ マヤ民族、それは私たちにどのような想像を植えつけていただろう。 マヤンカレンダー、驚くべき天文学的知識を持った偉大な天文学者、ブルホ(黒呪術)、そして人間の生贄の 儀式の存在など多くの謎に満ちた世界。 しかしマヤ文明の根底に流れている神話、アメリカ大陸最大の神話「ポップ・ヴフ」を紐解く時、彼らの驚くべき 世界・宇宙観が見えてくる。 この神話によると人間の生贄の儀式が復活した時代は、第五段階と呼ばれた退廃の時代であり、現代はその 時代よりも重大な危機を迎えている第七段階に位置していると言われている。 立教大学社会学部教授である著者は、グアテマラに暮らすマヤの末裔・シャーマンを6年にわたって現地調査 し、多くのシャーマンとの対話を通してマヤンカレンダーに代表される彼らの時間の捉え方を解き明かす。 それは時間そのものが生命を持った創造的存在であり、調和の思想だった。 そこには人間の生贄の儀式など存在しない世界・宇宙観が横たわっている。 本書は本格的マヤ神秘思想研究の第一級の書であり、あるべき未来の扉を開く鍵をも提示している。 ☆☆☆☆ |
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