未来をまもる子どもたちへ




上の画像は双眼鏡(倍率7倍の実視界約7°)で見る夏の星空 M10とM12(球状星団) へびつかい座。

距離・・・M10(1万6300光年)、M12(1万9000光年)



上の画像は光害のない、そして透明感ある最高の星空を再現したものです

ので、光害などが残るところでは実際にはこのように見えない場合があります。


 




今から1万9000年前の世界とは?(2011年基点)

遠い昔に船出した星の光は、今それを見ている人の瞳に
映し出され、そしてその心には何が刻まれるのでしょう。


 


約2万年前 ウルム氷期(最終氷期)のピーク。気温は年平均で7〜8℃も下がった。そのため
       地球上で氷河が発達し、海水面が現在よりも100mから最大で130mほど低かった
       と考えられている。その後、温暖化と寒冷化の小さな波をうちながら、長期では
       徐々に温暖化に向かった。

約1万8000年前 日本海に津軽海峡を通って寒流である親潮が流入し、この影響で朝鮮海峡
          あるいは対馬海峡から表層水が流出した。

約1万6000年前 東南アジアにあったとされるスンダランドが、海面上昇により徐々に後退。
          海面の上昇により、他にも、アラスカとロシアの間にあるベーリング海峡
          (氷期には陸続きだった)の海没や、大陸と地続きだった日本も徐々に島化
          が進んだ。



 

今から1万6300年前の世界とは?


 



約1万4000〜約1万年前  この頃までにイヌを飼い慣らしたと考えられている。

約1万3000年前 日本列島が大陸から完全に離れ、ほぼ今の形を整えたと考えられている。
          マイナス約60mの宗谷海峡が海水面下に没した。対馬暖流は一進一退を
          繰り返しながら日本海に流入していき、約1万から8千年前の間に、現在と
          同じような海洋環境になったと考えられている。

約1万3000〜1万年前 温暖化が進行しつつあったが寒冷気候に戻った時期である。
              北ヨーロッパなどでは「新ドリアス期」と呼ばれている。

約1万2000年前 この頃は、こと座(七夕の織り姫星付近)が北極星だった。地球の歳差運動
          により、北極星は25,920年周期で変化している。

約1万2000年前 ナイアガラ滝の形成がはじまる。解凍した氷河の水で滝の形成がはじまった。
          初期の滝は現在より10kmほど下流にあり、年1mほどのペースで後退しなが
          ら現在の姿となった。








M10 球状星団・・・双眼鏡でM12と同じ視野に見える球状星団・・・M9よりも天の川から

離れた場所に位置し、距離も近いため大きく見える。M9と同様、メシエによって1764年に発見

されているが、やはり「星のない星雲」としてカタログに記載されている。のちに、W.ハーシェル

の観察により球状星団であることがわかった。



M12 球状星団・・・メシエには星雲に見えたゴムボール状の星団・・・M10のすぐ近くにあり、

双眼鏡では同じ視野で見ることができる。多くの球状星団の中で、双眼鏡で二つ同時に見える

星団は、M10とこのM12のペアのみであるが、もちろんみかけ上、隣り合わせに見えるだけで

ある。M9、M10と同様、メシエ自身により1764年に発見された球状星団だが、やはり最初は

星雲としてカタログに記載されており、のちにW.ハーシェルが大口径の望遠鏡で球状星団であ

ることを確認している。



「Newton ニュートン別冊 メシエ天体のすべて」より引用



 


「M10・・・暗い空の下では、へびつかい座にあるこの6.6等の球状星団は双眼鏡でたやす

く見つけることができ、ある程度の困難はともなうが肉眼でも見えるだろう。これはK4III型の

オレンジ色の巨星である5等のへびつかい座30番星がごく近くにあるためである。この星を

見つめれば、そらし目によってM10がとらえられるはずである。M12・・・夏に見える巨大な

星座であるへびつかい座には小望遠鏡でも見える球状星団が2ダース近くあり、そのうち7

個がメシエによってカタログされている。小さいけれど壮観な球状星団M12はM10(M12と

そっくりな球状星団)のわずか3.5°北西、6等のへびつかい座12番星の2.5°東北東にあ

る。双眼鏡(あるいは望遠鏡の低倍率)を使えば、この二つの星団を同時に見ることができ

る。3700光年はなれたこれらの星団は、事実上宇宙でとなりどうしであるといえる。どちらの

星団も、他方から見ると約4.5等にみえるはずである。ちなみに、地球から見える最も壮大な

球状星団であるケンタウルス座ω星団は3.9等に見えるだろう。」

「メシエ天体カタログ」ステファン・ジェームズ・オメーラ著 より抜粋引用


「M10・・・へびつかいの将棋の駒のまん中あたりで、30番星とならんでいるのが5cmに7倍

の双眼鏡でわかります。中心部が明るく小口径でも見ごたえのある球状星団ですが、6〜8

cmくらいの口径では、高倍率にしても星にまで分解するのはちょっとむりのようです。M12

・・・これはかなりまばらな球状星団ですから、6cmに60倍くらいで中心から枝がのびている

ような構造がわかりはじめます。このあたりにある球状星団の中ではいちばんおもしろ味

のある球状星団なので、シーイングのよい晩には星が分解できるかどうか、思いきって

倍率をあげてたしかめてください。」

「星座ガイドブック 春夏編」藤井旭著 より抜粋引用


「アンタレスからへびつかい座ζ星をたどり、ζ星とε星が一辺をつくる正三角形の頂点

付近を探すと、ぼんやりした2つの球状星団M10とM12が見つかります。散開星団では

ペルセウスの二重星団をはじめとしていくつかのペアがありますが、球状星団でこのよう

に明るいペアはM10とM20が唯一のものです。この2つの球状星団は、大きさと明るさ

がそっくりで、3°はなれてぽっかり浮かんでいる様子を楽しめるのは、双眼鏡ならでは

の世界です。どちらの球状星団も中ぐらい程度の集中度で、恒星とは区別しやすく、ぼ

んやりとした光の塊のように見えます。」

「双眼鏡で星空ウォッチング」白尾元理著 より抜粋引用


「M10・・・へびつかい座のσ星の東約10°、30番星の1°西に位置する。双眼鏡で少し

にじんだ恒星状、8p50倍で星雲状、球状星団らしく見るには、20cm100倍以上にする必要

がある。ただし空の条件によって見え方は左右されるので、できるだけ好条件下で見よう。

M12・・・M10の3.5°南東にある球状星団・大きさ・明るさはM10と同程度だが密集度は

低い。双眼鏡では星雲状で、M10と同一視野に見える。8p50倍で凹凸した中央部から枝

が伸びているように見え、20cm100倍でまわりの星がポツポツと見え始める。M10とのタイ

プの違いを比べてみよう。」

「エリア別ガイドマップ 星雲星団ウォッチング」浅田英夫著 より抜粋引用


「M10・・・へびつかい座の中の数ある球状星団の中で、このM10とM12だけはぜひみて

ほしい。M10とM12は双眼鏡の視野の中でならんでしまうほどちかく(約4°)にあるので、

いっしょにさがすことができる。M10は、δ、εから約10°東に、30番星と1°はなれてな

らんでいる。双眼鏡ではちょっとにじんだ恒星状、口径5cmでまるい星雲状、口径10cm以

上では美しい見ごたえのある星団だが、M12とは対照的で、なかなか星にわかれない。

M12・・・M10とちがって、口径5cmでも倍率をあげるとまわりの星がパラパラみえてくる

ほど、まばらな球状星団だ。口径10cmなら、えだがでていて、まるくない球状星団の感じが

みられるだろう。」

「ほしぞらの探訪 肉眼・双眼鏡・小望遠鏡による」山田卓著 より抜粋引用


「M10・・・30番星にちかく、M12と3°.4はなれています。明るく密集した球状星団です。

径8′.2で、M9と同じように強力な双眼鏡で中心部3′ぐらいが明るく星雲状にみえてきま

す。5pに高倍率をかけますと、まわりの微星がほんのすこしばかりめえはじめます。

M12・・・この球状星団は、中心部がさほど密集していません。光度6.6等、径9′.3で明る

く小口径で大へんみごたえがあります。M10にちかく、7×50双眼鏡で、うすぼんやりした、

にじんだまるい星雲状にみえます。中心部が明るく外側は次第にうすれます。10cmぐらい

でまわりの微星がみられます。視野の東側には数個の明るい星や微星がたくさんみられ

ます。」

「四季の天体観測 肉眼・双眼鏡・小望遠鏡で」中野繁著 誠文堂新光社 より抜粋引用


 


M10, M12 and galactic cirrus | Deep Sky Colors - Astrophotography by Rogelio Bernal Andreo


「フラムスチード 天球図譜」恒星社編 より引用







双眼鏡で見る春の星空 双眼鏡で見る夏の星空

双眼鏡で見る秋の星空 双眼鏡で見る冬の星空

天体観測に適した小・中口径の双眼鏡

天体観測に適した大口径の双眼鏡

(映し出されるまで時間がかかる場合があります)

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