Chess, 1886 | Read, Seen, Heard
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「激闘譜 シュタイニッツからフィッシャーまで 歴代チェスチャンピオンからの珠玉集」 マックス・エイベ著 松本康司訳 日本チェス出版社より引用。
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以下、「楽しいチェス読本」ロフリン著 日本チェス協会訳編 ベースボール・マガジン社 より引用。 当時のシュタイニッツは、自己の棋譜を厳しく検討し、それが彼の特徴でもありました。彼は名人たちの試合につい ても、多くの間違いを指摘しています。積極的な分析の結果、攻撃は堅固な駒組みに依存しなければならず、高度な 守りの技術をもっていれば、最後には効果的な攻撃に転じ、たくさんの勝負で勝利を得られるであろうという結論を下 しています。 ラスカーは、シュタイニッツのこのような分析的観察を次のように定義しています。「シュタイニッツの考えとは、どのよ うなプランもその根拠をもっていなければならないという法則から出発しています。存在するものはすべて、その存在 理由をもっているものです。シュタイニッツはそれらの根拠を、チェスの盤上の状況下に見いだすことを経験で感じ とっているのです。また、その根拠をコンビネーションフォームの中にではなく、ポジションの裏にこそ見いだすべきだ と考えていました。たとえばあるプレーヤーがとほうもない記憶力の持ち主だったとします。彼が、ある状況下で、最も 必要なコンビネーションを100万個の記憶の中から選びだすことができるなら、プランを創り出すという必要はなくなる でしょう。しかし、そんなことはふつうの人間には不可能ですから」。 シュタイニッツによると、名人のプランというものは、常に正確な状況認識と分析にもとづいていなければなりません。 そして、最も重要なことはいかなるプランも根拠をもっていなければならず、攻撃もすべて根拠あるものでなくてはなら ないという点です。しかし、理論は実践によって証明されて、はじめて力となりうるのです。 (中略) シュタイニッツの戦法の基本は、盤上の力がまだ同等で攻撃用の利を集積して優位に立つということです。その特色 とは、 @ゲーム展開における大きな活動性を条件づける優勢 A中央と空いている列の占有 B一時的にせよ対戦者のテンポを狂わせる優勢。相手が取られた駒の埋め合わせを考えている間に、その場の イニシアチブをとるか、ある種の優勢を獲得することが可能。 Cポーンによる有利な形勢。側面でのポーン数の差 D最後に、攻撃の目標を決定するための弱点の発見。 |
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以下、「チェス戦略大全1 駒の活用法」ルディック・パッハマン著 小笠誠一訳 評言社 より引用。 現代チェスの発展はウィルヘルム・シュタイニッツ(1836〜1900年)の業績で始まる。彼は33年間にわたって世界 最強と讃えられ、このうち10年間は新設されたチェスの世界チャンピオンとして王座を守り通した。しかし最も注目す べき点は、彼の研究によってチェスが科学的な試合になり、新時代が始まった点である。 彼は始め(1862年〜1873年頃)、イタリア派の影響を大きく受けていたが、その後、新しい道を求めた。『フィールド』 誌におけるチェス欄、後の「国際チェス・マガジン」誌、そして未完成の「現代チェス教書」のなかにおいてシュタイニッ ツはそれまでチェス芸術の頂点と考えられていた試合を厳しく批判した。彼の下した結論は、当時としては全くの異説 であった。これらの試合の決め手になった攻撃は、ほとんどの場合、誤った防御の産物であり、それまでのチェスに は戦略的な原則に則って計画を立てることなく、目的のない手が多かったとしている。 それの批判の一方で、シュタイニッツはチェスの指し方における新しい指針を作り出すことに多くの労力を費やした。 後にラスカーがシュタイニッツのチェス戦略の新しい概念を次のようにまとめている。 @局面には「均衡状態」というものがある。 A鋭い攻撃が仕掛けられるのはこの均衡状態が崩れたときであり、それ以前ではない。 B攻撃は、敵の弱点だけを目標として狙わなければならない。 C防御は、最も効率よく行われなければならない。必要もなく、各ピースが守りに縛られてはならない。 シュタイニッツがチェス戦略の発展にもたらしたものは、このような基本原則だけではない。小さな陣形的優位に注目 したのも彼である。彼は孤立ポーンやダブルポーンといった「弱点」の重要性を指摘し、クイーン側のポーン・マジョリ ティ(多数ポーン)の価値を説いた。また開いた局面における2ビショップの威力も指摘した。それと同時にこれらの 優位差の活用法も示した。そしてポーン、特にキャスリング後にキングを守るポーンは最初の位置が最も強力である ことを証明した。キングは強力なピースであると主張し、場合によっては中盤戦においても有効に働かせることができ るとした。正確な防御は攻撃と同等の戦略的価値を発揮するとして、端を攻める際にはセンターを固定する必要があ ることを強調した。さらに、彼は先人たちが避けるよう努めた閉じた局面における戦略を始めて解明したことを、最後 に挙げておこう。 |
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シュタイニッツの名局 Serafino Dubois vs Wilhelm Steinitz "Dubious Dubois" (game of the day Dec-13-05) London 1862 ・ Italian Game: Giuoco Pianissimo. Normal (C50) ・ 0-1 steinitz_dubois_1862.pgn へのリンク Wilhelm Steinitz vs Augustus Mongredien "Augustus, seize her!" (game of the day Aug-14-08) London 1862 ・ Scandinavian Defense: Ilundain Variation (B01) ・ 1-0 steinitz_mongredien_1862.pgn へのリンク Wilhelm Steinitz vs Rock "Rock Bottom" (game of the day Jul-22-08) London 1863 ・ Chess variants (000) ・ 1-0 rock_steinitz_1863.pgn へのリンク M Hewitt vs Wilhelm Steinitz "Hewitt Blew It" (game of the day May-15-06) London, England 1866 ・ Bishop's Opening: Calabrese Countergambit (C23) ・ 0-1 hewitt_steinitz_1866.pgn へのリンク Samuel Rosenthal vs Wilhelm Steinitz Vienna (1873) ・ Three Knights Opening: Steinitz Defense (C46) ・ 0-1 「いちばん学べる名局集」アーヴィング・チェルネフ著 水野優訳では、この試合の詳しい 解説がされています。「2ビショップ・・・2ナイトまたはナイト+ビショップに対する2ビショップの 優位を示す、最も古いが未だに絶好の実例といえる。シュタイニッツの2ビショップは後衛に 就いているが、存在感は示している。そこにいるだけで、盤の反対側まで影響を与えている。 一方、相手の一つしかないビショップは、哀れにも同色マス上にある駒に行く手をさえぎられ ている。センターでの足がかりを得ようと奮闘するナイトは、シュタイニッツに攻撃され、戦場 から撤退させられる。」・・・本書より抜粋引用 rosenthal_steinitz_1873.pgn へのリンク Wilhelm Steinitz vs Alexander G Sellman Baltimore 1885 ・ French Defense: Classical. Steinitz Variation (C11) ・ 1-0 「いちばん学べる名局集」アーヴィング・チェルネフ著 水野優訳では、この試合の詳しい 解説がされています。「シュタイニッツの奇妙な戦略・・・『駒一式を帽子に入れて激しく振り 混ぜる。そして61cmの高さから盤上に降り注げば、シュタイニッツ風チェスのできあがりだ』 バード バードはふざけて言ったのだろうが、アンデルセンやモーフィーの率直な攻撃やコ ンビネーションを見て育った棋士たちの目には、わずかな優位を得るために手数をかける シュタイニッツの駒繰りが奇異に映った。騎士(ナイト)が大胆だった頃の勇敢なチェス精神 とはかけ離れたようなものに見えたのだ。しかし、シュタイニッツとその奇妙な手順からは、 勝つための戦略を大いに学べる。ラ・ブルドネやモーフィーと対戦したら彼らを脅かしたで あろうシュタイニッツには、陣形を重視する指し方の基礎が見られる。本局の序盤では、シュ タイニッツの型にはまらない指し方にとまどうかもしれない。遅いキャスリング、バカげたよう に見える手、5手もかけて縁の拠点へドン・キホーテのように向かうナイト。しかし、終局まで 鑑賞すれば、現代のチェス戦略を大いに学ぶことになるだろう。。」・・・本書より抜粋引用 sellman_steinitz_1885.pgn へのリンク Johannes Zukertort vs Wilhelm Steinitz "Bohemian Rhapsody" (game of the day May-24-09) Steinitz-Zukertort World Championship Match (1886) ・ Queen's Gambit Declined: Modern Variation (D53) ・ 0-1 steinitz_zukertort_1886.pgn へのリンク Wilhelm Steinitz vs Louis Paulsen "The Royal Stroll" (game of the day Mar-21-07) Baden-Baden (1870) ・ Vienna Game: Vienna Gambit. Steinitz Gambit Paulsen Defense (C25) ・ 1-0 paulsen_steinitz_1870.pgn へのリンク Wilhelm Steinitz vs Mikhail Chigorin "Good Wil Hunting" (game of the day Jun-18-09) Steinitz-Chigorin World Championship Rematch (1892) ・ Spanish Game: General (C65) ・ 1-0 この試合は、チェスの歴史上最も偉大な125試合を詳しく解説した著名な文献 「The Mammoth Book of the World's Greatest Chess Games」に掲載されている。 chigorin_steinitz_1892.pgn へのリンク Wilhelm Steinitz vs Curt von Bardeleben "The Battle of Hastings" (game of the day Sep-28-04) Hastings (1895) ・ Italian Game: Classical Variation. Greco Gambit Traditional Line (C54) ・ 1-0 Wilhelm Steinitz: A short tribute | Chess News この試合は、チェスの歴史上最も偉大な125試合を詳しく解説した著名な文献 「The Mammoth Book of the World's Greatest Chess Games」に掲載されている。 von_bardeleben_steinitz_1895.pgn へのリンク |
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シュタイニッツの名局集 Wilhelm Steinitz's Best Games Compiled by KingG 棋譜を見るにはブラウザ「Internet Explorer」が必要で、 「Google Chrome」では出来ません。 またJAVA アプレットがインストールされていないと棋譜が表示されません。 Javaコントロール・パネルでのセキュリティ・レベルの設定 Steinitz_Best.pgn へのリンク (チェス棋譜再現ソフトをご用意ください) The Dark Side Compiled by lonchaney 棋譜を見るにはブラウザ「Internet Explorer」が必要で、 「Google Chrome」では出来ません。 またJAVA アプレットがインストールされていないと棋譜が表示されません。 Javaコントロール・パネルでのセキュリティ・レベルの設定 Steinitz_Best1.pgn へのリンク (チェス棋譜再現ソフトをご用意ください) シュタイニッツが解説した局 棋譜を見るにはブラウザ「Internet Explorer」が必要で、 「Google Chrome」では出来ません。 またJAVA アプレットがインストールされていないと棋譜が表示されません。 Javaコントロール・パネルでのセキュリティ・レベルの設定 Steinitz_annotated_All.pgn へのリンク (チェス棋譜再現ソフトをご用意ください) シュタイニッツの全棋譜はこちら |
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「決定力を鍛える チェス世界王者に学ぶ生き方の秘訣」 ガルリ・カスパロフ著 近藤隆文訳 NHK出版 より引用 残念ながら、モーフィは局面図をまったく残していないし、その手順を解説する文書もほとんど見当たらない。時代 のはるか先を行っていたモーフィが第一線から退くと、ふたたびロマン派が優勢になった。彼らは何も学ばなかった のだろうか。展開と攻撃の基本原則が再発見され、公式化されるのはさらに四半世紀先のこととなる。 その再発見はヴィルヘルム・シュタイニッツの功績だった。当時オーストリア帝国の一部であったプラハに生まれ、 チェスをはじめた当初よりめきめき腕を上げていったシュタイニッツは、同時代の棋士たちに似た棋風だった。すな わち、華麗に、捨て駒をいとわずにプレーし、防御や安定はまず顧みない。だが大胆な攻撃で棋士として名を馳せた シュタイニッツは、やがて“オーストリアのモーフィ”の異名をとるようになる。 英国に移住後、シュタイニッツは少しずつ考え方と棋風を変えていった。英国では20年をすごし、のちにアメリカに 渡って市民権を得ている。大会の合間の長い休息期間に思索と研究を進めるかたわら、彼は有名なチェスのコラム を書き、公開試合をおこなった。1870年にはディフェンス、弱点、戦略的プレーの理論構築に着手。チェスの年表は ここで“シュタイニッツ以前”と“シュタイニッツ以後”に分かれる。 シュタイニッツの不朽の名声を確立したのは理論に関する貢献だろうが、彼はそれを盤上で実践することにも成功し た。1886年、保守派であるロマン主義の攻撃的棋士ヨハネス・ツケルトートと対戦した。これは現在、第1回公式世界 チャンピオン戦として記憶されている。最初の5局で4敗したものの、最後にはシュタイニッツとその原則に軍配があ がった。彼は敵の力量を見定めて対応し、9局で勝利を記録、その後の敗北は1局にとどめている。ツケルトートは まったく理解できなかった。華々しく攻めるわけでもないのに、どうしてシュタイニッツが勝てたのか。結局のところ、 試合とは攻めて勝つものではないのか? 1894年にシュタイニッツがエマーヌエル・ラスカーに王座を明け渡すころには、新世代の棋士たちがシュタイニッツの 教えを十分に吸収する。歴代のどのチャンピオンも、シュタイニッツの理論と原則に恩義を感じていた。ゲームの進化 はつづいているが、最初にチェスを海中から陸地に引きあげたのは、モーフィに触発されたシュタイニッツだった。 |
1895年のヘイスティングズ大会
Standing: Lasker, Charousek, Schlechter, two organisers, Janowsky, Maroczy, Marco, Showalter, three organisers
Seated: Albin, Porges, Chigorin, Tarrasch, Winawer, Steinitz, Blackburne, Schallopp, Schiffers, Pillsbury, Walbrodt, Teichmann