「ホピ 宇宙からの聖書」

フランク・ウォーターズ著 林陽訳 徳間書店より引用







ホピ族の研究書として、そしてアメリカ・先住民族の霊性を文字によって表現した

記録である。著者のフランク・ウォーターズはインディアンの信仰に魅せられた白

人で、三年間の歳月をホピ族と共に生活する。そこでホピ族の長老30人の協力

を得てこの書物を作り上げる。本書には、神話(四世界の創造・宇宙生命のはじ

まりから現世界まで)、伝説(各部族の大移動・永遠の地を求めて)、宇宙劇(大祭

は巡る・神性を体言する生きたモニュメント)、歴史(「失われた白い兄」の予言・

迫りくる現世界の終末)が収められている。本書に関しての評価は様々に分れま

すが、数々のインディアンに関する文献を出しておられる北山耕平さんのページ

の「ネイティブスピリット」を是非お読みいただき参考にしてください。

(K.K)



ホピの預言(予言) を参照されたし。


創造主がマサウを通して語った預言と教示をまとめた「テククワ・イカチ」

「生命の始まりから浄化の日まで ホピ物語」を参照されたし

ホピ族の長老マーティン・ガスウィスーマから日本人への伝言

ホーク・フー・ハンツ・ウォーキング(歩きながら狩りをする鷹)からの手紙

「心に響く言葉」1997.6/20「シアトル首長の言葉」を参照されたし

雑記帳「魅せられたもの」1997.6/20「霊的な戦士」を参照されたし

雑記帳「魅せられたもの」1998.4/20「父は空、母は大地」を参照されたし

ドキュメンタリー映画「ホピの予言・人類滅亡・核時代の最終予言」を参照されたし


 




創造の歌(ホピ族) 本書より引用


濃い紫の光が北に昇り

黄色い光が東に昇るとき

われら大地の花は生まれん

歓ばしき長寿をうけんため

われらは自らを蝶の乙女と呼ばん


男も女も東に祈れ

創造主なる太陽を尊べ

鈴の音は空気を通して鳴り響き

大地を通して歓びの音を伝え

その歓びの音は全土にこだまする


父よ、われらは慎みて願わん

完全者、父なるタイオワよ

黄色の光によりてわれらに示されし

麗しき生命を造りたもう完全者よ

赤き光のときにわれらに完全な光を

与えたまえ


完全者は完全なる計画を定めたもう

生命の中に歓びを植える歌をつくり

われらに長寿を与えたもう

この幸福の道の上で、われら蝶の乙女は

父なる太陽を仰ぎそのみ心を行なわん


歌は創造主より歓びとともにこだまし

大地のわれらはそのこだまを創造主に返さん

黄色の光が現れるとき

喜びのこだまは幾度となく響く

来るべき時代のために響いては響き返す


 
 


フレデリック・H・ハウエル

チャールズ・ウルリック&ジョセフィン・ベイ財団理事

(本書より引用)


有能な作家にして人文学者のロレンス・ヴァン・ポストは、わたしたちの社会

が「魂の本来の言葉」を失った結果、ある基本的な良識を欠いてしまっている

と嘆いている。これがいかに的を得た発言であるかは、本書の読者には明ら

かとなろう。そこには、わたしたちが永遠に失ってしまうかもしれないものを

保とうと力を尽くしている古代の民の姿がある。そのような良識を欠いてしま

ったわたしたちは、偽の価値体系によって粗悪な「生命の道」を造り出す危険

にさらされているのである。歴史の教訓がありながらも、磨き澄まされた知性

という道具がありながらも、幾世紀にもわたる科学の啓示を手にしながらも、

わたしたちは決断すべきときになおも手をこまねいているのだろうか? わたし

たちはいつも紛争と隣り合わせになっている。真理を求めつつも、危機の瞬間

にいつも真理がわたしたちから遠ざかるのをみている。・・・・・・・



本書はある民族の物語である。それは、成功と失敗の物語である。だが、

成功の物語は失敗のそれをはるかに凌いでいる。それがわたしたちの心を

引きつける。わたしたちの求める答えがそこにあるかもしれないのだ。そこ

には「魂の本来の言葉」が大きく澄んだ声で語られている。わたしたちを

救うものがここにある。この書の内容は、これまで決して文字に書き表わ

されたことのないものである。幾多の幸運な状況が重なって本書の成立

が可能になった。フランク・ウォーターズがいうように、「これほどの協力は

かつて得られたことがなく、今後も決してありえない」であろう。かなった時

と場所とが幾多の戦いを克服してきた。そして、今もう一つの戦いが克服

されたのだ。一つの偉大なる民族がわたしたちに語りかけている。そして、

謙虚な姿勢で聴こうとすればわたしたちの心は今よりいっそう豊かになる

だろう。彼らのもつ限りない力の源について自らの言葉で語ってもらう機会

をつくることは、わたしたちの切なる願いである。この啓示を通して、彼らが

危機に際して切に求めているステータスの幾らかでも回復することを願って

いる。さもなければ、彼らは自らの深い謙虚さの故にそれを失ってしまい

かねない。彼らの美しい「生命の道」を説く機会を開くことによって、わた

したちは彼らのもっとも恐るべき予言の成就を遅らせる第一歩を踏んだと

もいえるのである。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 


目次

緒言

序文

本書が編纂されるに至ったいきさつ


第T部 神話 四世界の創造 宇宙生命のはじまりから現世界まで

第1章 第一の世界・・・・無限宇宙から人類創造へ

第2章 第二の世界・・・・火と氷による大浄化

第3章 第三の世界・・・・大洪水による滅亡

第4章 第四の世界・・・・完全なる世界に向けて

第5章 人類出現のシンボルを探る


第U部 伝説 各部族の大移動 永遠の地を求めて

第1章 聖なる石版の教え

第2章 創造主の戒め

第3章 「モミの木」に宿る霊力

第4章 生贄の伝説

第5章 「短い虹」の天恵

第6章 神秘な南の赤い都

第7章 双児にまつわる言い伝え

第8章 蛇をくわえた主神の由来

第9章 太陽神殿に秘められた謎

第10章 コヨーテとツバメの競争

第11章 甦る古代部族の足跡

第12章 永住の地オライビの創設

第13章 ホピは宇宙の中心に辿り着いた


第V部 宇宙劇 大祭は巡る 神性を体現する生きたモニュメント

第1章 祭祀を彩るシンボル

第2章 ウウチム祭・・・・創造祈願の儀式

第3章 ソヤル祭・・・・再生・入魂の儀式

第4章 宇宙からの来訪・・・・霊人カチナの導き

第5章 ポワム祭・・・・象り・清めの儀式

第6章 生命の道・・・・生と死の絶えざる周期

第7章 ニマン・カチナ祭・・・・霊人との別れの儀式

第8章 笛祭り・・・・大地への讃歌の儀式

第9章 蛇・羚羊祭・・・・豊穣祈願の儀式

第10章 女たちの祭り・・・・成熟・実りの儀式

第11章 ヤヤ祭・・・・呪われた魔術の儀式


第W部 歴史 「失われた白い兄」の予言 迫りくる現世界の終末

第1章 ホピ受難のプロローグ

第2章 伝説の地アワトビの破滅

第3章 合衆国の西進

第4章 インディアン絶滅計画の戦慄

第5章 異教の侵食

第6章 消えた予言の石版

第7章 新たなる聖地

第8章 汚された聖なる儀式

第9章 天空に現われた太霊マサウ

第10章 「平和の民」の祈り

第11章 ホピの予言


訳者あとがき


 


2012年3月22日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



奄美にいたときの私。

長崎・佐世保で生まれ、3歳の時に私たち家族は奄美に移り住んだ。



佐世保の近くに黒島という隠れキリシタンが住んだ島がある。成人してからこの島と黒島天主堂

訪れたときの衝撃とそこで与えられた意味は私の大切な自己基盤の一部になっている。



そして奄美大島、そこはシャーマニズム・アニミズムの世界観が残る地であった。幼少の頃はそん

なことなどわかるはずもなく、青く澄んだ海、赤い蘇鉄の実、さとうきび、そして怖い毒蛇ハブが住む

森を身近に感じていた。



「一人で森に入ってはいけない」と何度も言われた。それ程ハブが棲む森は子供にとって恐ろしい

場であった。逆に言うとハブがいたからこそ、昔の奄美の森は人間によって荒らされずに生き残っ

てきたのかも知れない。



ホピ族の有名な踊りに「蛇踊り」がある。砂漠に住む猛毒をもつガラガラヘビなどを多く集め、儀式

するのだが、その儀式の前に長老達は一つの部屋にこれらの蛇を置いて数日間共に過ごすので

ある。そして儀式が済むと蛇たちは丁重に元の砂漠に帰される。



確かに日本でも蛇信仰はあったと思う。母の実家・久留米の家では白蛇がおり家の人たちは大切に

その蛇を扱っていた。私は白蛇を見たことはないのだが何度もその話を聞いて育った。



創世記で蛇がイブを誘惑したことから生じてきたずる賢い悪魔の存在としての意味、そして蛇信仰が

残る地や奄美、両者には決定的な自然観・世界観の違いが横たわっていると感じていた。



前者からは人間だけによる地球支配の夜明けが始まり、自然に対しての畏敬を失い森を切り開い

た姿が、後者からは脱皮を繰り返す蛇に、森の再生のシンボルとしての意味を見い出せるかも知

れない。



良くキリスト教は一神教と言われるが、私はそうは思わない。父・子・聖霊の3つの姿が互いに与え

尽くしている姿、三位一体はそのことを指し示しているのではないかと思う。



言葉では偉そうに「与え尽くす」と簡単に言うことは出来るが、それを肌で知り、示すことは私には

出来ない。インディアンの「ポトラッチ」縄文時代での社会的緊張を緩和するために呪術的儀礼や

祭を通して平和で安定した平等主義、「与え尽くし」の社会。



ある意味でキリスト教の真実の姿を体現しているのが先住民族たちなのかも知れないと思うことが

ある。



まだまだ多くの疑問が私の中に横たわっているのだが、長崎・奄美から旅立った私の魂は、ブーメ

ランのように再びこれらの地に戻ろうとしているのかも知れない。



☆☆☆☆



「ガラガラ蛇からサイドワインダー、ヤマカガシまであらゆる種類の蛇がおった。

六〇匹はいたじゃろう。あちこちに動き回って、囲んでいる男たちの顔を見上げ

ていた。男たちは動かず、優しい顔つきで歌っているだけじゃ。すると、大きな

ガラガラ蛇が一人の老人の方に向かい、足をはい登り、そこで眠り始めた。

それから次々と蛇がこの老人に集まり、優しそうな顔をのぞき込んでは眠り始

めたのじゃ。蛇はこうやって心の清い人間を見分けるのじゃよ。」



コアウィマ(太陽を反射する毛皮)の言葉

「ホピ・宇宙からの聖書」フランク・ウォーターズ著より引用



☆☆☆☆



(K.K)



 







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