Pawn Sacrifice - MTDb

チェス世界チャンピオン、ボビー・フィッシャーの半生を描いた映画「Pawn Sacrifice(ポーン・サクリファイス)」
写真は、ボビー・フィッシャーを演じるトビー・マグワイア






 


日本では2015年12月25日より、「完全なるチェックメイト」(日本語字幕)として東京・TOHOシネマズ シャンテで
全国順次ロードショーされます。


『完全なるチェックメイト』
公開:2015年12月25日(金)全国順次ロードショー
監督:エドワード・ズウィック
出演:トビー・マグワイア、ピーター・サースガード、リーヴ・シュレイバー
配給:ギャガ



1972年、米ソ冷戦下、盤上で第三次世界大戦が勃発。
米代表:ボビー・フィッシャー。IQ187の天才にして稀代の“クセ者”。
STORY

米ソ冷戦時代。1972年にアイスランドのレイキャビクで開催されたチェスの世界王者決定戦は、両国の威信をかけた‘知’の代理戦争

として世界中の注目を集めていた。タイトルを34年間保持してきたソ連への挑戦権を獲得したのは、アメリカの若きチェスプレイヤー、

ボビー・フィッシャー。IQ187を誇る天才で15歳にして最年少グランドマスターとなった輝かしい経歴の持ち主だが、その思考は突飛で、

行動は制御不能。謙虚さのカケラもない自信家で、自分の主張が通らないと大事なゲームすら放棄する。そんな奇行の天才が相対

するのは、最強の王者、ソ連のボリス・スパスキー。対局一局目、スパスキーに完敗するフィッシャー。残り二十三局、絶対不利と見ら

れたフィッシャーは極限状態の中、常軌を逸した戦略をうちたてる―。二大国家の大統領もフィクサーとして影で動いたと言われる、

歴史を揺るがす世紀の一戦。そこで放たれた今なお語り継がれる<神の一手>の真実が明かされる─!


ギャガ株式会社(GAGA Corporation)より引用



羽生善治(将棋棋士) コメント全文

この作品は彼の世界チャンピオンに至るまでの苦悩と葛藤が克明に描かれている。当時の時代背景は、冷戦の真っ最中、軍拡のみ

ならず宇宙開発でも米ソが鎬を削っていたが、チェスの世界ではソ連が圧倒的な存在感を誇っていた。多数の才能溢れる人材だけ

ではなく、国家が十二分にサポートをして他に付け入る隙を見せなかった。そんな時に彗星のごとく現れたのがボビー・フィッシャー

だった。この作品は極限の淵を歩く、男達の苦悩と葛藤を描いた物語である。


羽生名人も絶賛、「完全なるチェックメイト」“知の代理戦争”に挑む予告編 (映画ナタリー) - Yahoo!ニュースより引用





「伝説のチェス王者」フィッシャーを救え 羽生善治 私が小泉首相あてに嘆願書のメールを送った理由 文藝春秋2004年11月号


 
 
 
ボビー・フィッシャー 世界と闘った男 [DVD]


この日本語版DVDは、2015年12月25日から全国で上映される「完全なる

チェックメイト」の映画に先行して12月2日に発売されたものである。




商品説明より以下引用

ボビー・フィッシャーの人生を映画化した、
トビー・マグワイア主演作『PAWN SACRIFICE』
(原題)が12月日本公開予定!絶好のタイミング
でリリース!!

STORY

世界チャンピオンとなりながら、突如、表舞台
から姿を消し、日本で暮らしていたこともある
ボビー・フィッシャーの人生に迫るドキュメンタ
リー。貴重なアーカイブ映像や、女性世界チャ
ンピオンに4度輝いたスーザン・ポルガー、
15年連続で世界チャンピオンの座を保持し続
けたガルリ・カスパロフ、5度の米国チャンピオン、
ラリー・エヴァンスら、名立たるチェス・プレーヤー
のインタビューなどから、彼の波乱に満ちた人生

を紐解いていく。


ボビー・フィッシャーの生涯を追ったドキュメンタリー映画 
「ボビー・フィッシャー 世界と闘った男」 DVD


 
 



  フィッシャーと長年親交のあった、ブレディーによるフィッシャーの伝記本
「ENDGAME」。

この本が2013年2月15日に日本語版として発売されました。


「完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯」
フランク・ブレイディー・著 佐藤耕士・訳 文藝春秋
 

以下、商品説明より引用

『スパイダーマン』のトビー・マグワイアと『ラスト サムライ』のエドワード・ズウィック監督が贈る! アメリカVSソ連による盤上の

第3次世界大戦勃発!国の威信をかけた、究極の頭脳戦の真実を明らかにする衝撃の実話! 手に汗握る攻防戦! 圧巻の勝負と

驚嘆の真実に絶賛の声が続々!



【特典映像】
・メイキング
・インタビュー(監督、トビー・マグワイア、マイケル・
スタールバーグ、スティーヴン・ナイト)
・予告編集
・キャスト&スタッフ プロフィール(静止画)
・プロダクションノート(静止画)



【キャスト】
トビー・マグワイア
ピーター・サースガード
リーヴ・シュレイバー
マイケル・スタールバーグ
リリー・レーブ
ロビン・ワイガート



【スタッフ】
監督・製作:エドワード・ズウィック
製作:ゲイル・カッツ、トビー・マグワイア
脚本・原作:スティーヴン・ナイト
撮影:ブラッドフォード・ヤング



【ストーリー】
米ソが世界を二分していた冷戦時代。1972年にアイスランドのレイキャビクで開催されたチェスの世界王者決定戦は、両国の威信を

かけた“知"の代理戦争として世界中の注目を集めていた。タイトルを24年保持してきたソ連への挑戦権を獲得したのは、アメリカの

若きチェスプレイヤー、ボビー・フィッシャー。IQ187を誇る天才で15歳にして最年少グランドマスターとなった輝かしい経歴の持ち主だ

が、その思考は突飛で、行動は制御不能。謙虚さのカケラもない自信家で、自分の主張が通らないと大事なゲームすら放棄する。

そんなモーツァルトにたとえられる奇行の天才が相対するのは、最強の王者、ソ連のボリス・スパスキー。

対局一局目、スパスキーに完敗するフィッシャー。残り二十三局、絶対不利と見られたフィッシャーは極限状態の中、常軌を逸した

戦略をうちたてる。二大国家の大統領もフィクサーとして影で動いたと言われる、歴史を揺るがす世紀の一戦で生まれた、今尚語り

継がれる<神の一手>の真実が明かされるー!



 








Tobey Maguire dans la peau de Bobby Fischer



『スパイダーマン』だったトビー・マグワイア、フィンチャー監督映画でチェスの
世界王者ボビー・フィッシャーを演じる - シネマトゥデイ
2010年3月16日より引用

[シネマトゥデイ映画ニュース] 大ヒット映画『スパイダーマン』のシリーズ4作目が、シリーズを再起動
させる映画となることが正式に発表され、今後はスパイダーマン役から離れることが決まったトビー・
マグワイア。そのトビーが、鬼才デヴィッド・フィンチャー監督の映画で、伝説的チェスプレイヤーを演じ
ることが明らかになった。

ハリウッドニュースサイトDeadline Hollywoodのマイク・フレミングが伝えたところによると、トビーがコ
ロンビア・ピクチャーズの新作映画『ポーン・サクリファイス』(原題)で主演を務めるとのこと。同作は、
1972年にチェスの世界チャンピオンとなったボビー・フィッシャーの半生を描く伝記映画で、トビーが
2008年1月に64歳で亡くなったフィッシャーを演じる。

フィッシャーの半生は、多くの謎と伝説に満ちており、子どものころからチェスを始めたフィッシャーは
神童と呼ばれ、14歳のときにグランドマスターとなり、1972年には世界選手権の王座についたが、3年
後に防衛戦の運営をめぐり世界チェス連盟と対立し、タイトルをはく奪され、消息不明になってしまう。
その後、チェスの試合での賞金問題で事実上の国外追放処分となり、再び消息不明となるが、2004年
に日本の成田空港で入管法違反の疑いにより入国管理局に収容され、翌年、フィッシャーはアメリカ
政府ではなく、彼に市民権を与えたアイスランド政府へ引き渡された。

冷戦時代に、ソビエト連邦生まれのチェスプレイヤーのボリス・スパスキーを破り、世界チャンピオン
になったことから、フィッシャーは当時アメリカの社会的ヒーローであり、英雄だったが、その後ユーゴ
スラビア紛争や政治的迫害に巻き込まれ、母国アメリカから反逆者として扱われてしまっている。映画
では、宿敵スパスキーとの世界選手権での対戦を中心に描き、天才チェスプレイヤーであったフィッシ
ャーの大胆な戦術が再現される予定だ。脚本は『イースタン・プロミス』のスティーヴン・ナイトが執筆し、
トビーはプロデューサーとしても映画に参加する。撮影は、フィンチャー監督の次回作『ソーシャル・
ネットワーク』(原題)公開後の予定だ。


 

追記(2012年11月)


監督はフィンチャー監督が降板し、「ラスト・サムライ」のエドワード・ズウィックになっています。

 

追記(2015年8月)


2015年9月全米で上映されますが、日本での上映は未定です。

 


チェスの歴史上、最強の人間は誰だったか、それは人の感性や棋力により答えが異なるのは当然かと

思います。現在のレーティング(強さの数値)で判断すると、必ず現在の棋士がトップに来ますが、それは

チェスのイロレーティング(Elo rating)が年に数%づつインフレを起こしているためです。ですから最も公平

な見方は、同時期に存在した多くの名人たちとの比較などでしか判断できないかも知れません。例えば時

代別にA・B・Cの名人を並べると、AとB、BとCは対戦が多く優劣の判断はできるが、AとCは対戦したこと

がない。このような場合、AとC、どちらが強いかを判断するには、Bの存在で測ることも可能です。AとBの

勝率、BとCの勝率などで、AとCの力関係を推察することができる。しかし、この比較も名人と言えども全盛

期とそうでない時期、そして相性の問題も当然あるのでやはり確定することはできないように思います。私

個人としては、モーフィーカパブランカフィッシャーがチェス史上最強かと思いますが、カスパロフに関し

ては序盤研究のプロ集団を雇っていた彼にはその資格はないと思います。そして大事なことは、たまたま

チェスに接することがなかっただけで、その素質は彼らより上という人間も人類誕生から今日まで沢山いた

ことを忘れてはいけないと思っています。


2013年1月31日 K.K






Pawn Sacrifice - Official Trailer (2015) Tobey Maguire, Liev Schreiber [HD] - YouTube


Liev Schreiber Pictures

左はスパスキーを演じる Liev Schreiber








「かんぜんなるチェックメイト」 映画パンフレット より以下引用


STORY(物語)


1972年、夏、全世界がある戦いの行方を見守っていた。1948年以降、ソ連人同士でチャンピオンを決めてきたチェス

世界選手権に、今年は挑戦者としてアメリカ人が登場したのだ。彼の名はボビー・フィッシャー(トビー・マグワイア)、

迎え撃つ王者はソ連のボリス・スパスキー(リーヴ・シュレイバー)。



ところが、耳を疑うニュースが各国を駆け巡る。フィッシャーが第2局に現れず、不戦敗となったのだ。「次は何をしでかす

のか?」と煽るTVキャスター。そう、フィッシャーはチェスだけでなく、その奇行でも知られていたのだ。



1951年、ニューヨーク、ブルックリン。チェスクラブを経営するナイグロは、まだ幼いボビーの才能に驚く。シングルマザー

のレジーナ(ロビン・ワイガート)が、チェスばかりしているボビーを「負ければ諦めるだろう」とクラブに連れて来たのだ

が、皮肉にもこの日を境にボビーはクラブに通い詰め、わずか14歳でアメリカ王者となる。



昼夜チェスの研究に励むボビーは毎晩男を連れ込む母と衝突するようになる。彼女が共産党員のせいでボビーまで

FBIに監視されるのにもウンザリしていた。やがて母は家を出て行き、ますますチェスにのめり込むボビーは当時の

史上最年少の15歳でグランドマスターとなる。



1962年、ブルガリアで開かれたチェス・オリンピアードで、突然試合を棄権するボビー。ソ連勢がボビーに勝たせない

よう、共謀してドロー(引き分け)ばかりを繰り返していると抗議、カメラの前で「ソ連は不正を行っている」と激しい演説

をブチ上げ、「チェスをやめる!」と宣言する。



1965年、鬱屈した日々を過ごすボビーのもとに、ポール・マーシャル(マイケル・スタールバーグ)という弁護士が訪ねて

くる。チェス好きの愛国者だと自己紹介するポールは、ボビーの代理人になりたいと持ちかける。敵国ソ連をたたきのめ

すためなら、無料で引き受けるというのだ。



ビル・ロンバーディ神父(ピーター・サースガード)にセコンドを頼み、カリフォルニアで開催されたソ連選手団との親善

大会に乗り込むボビー。「この街に冷戦がやってきた」と盛り上がるなか、ボビーは連勝を飾る。



ところがボビーは、「条件が満たされない限りもうプレーしない」と宣言。彼の要求リストは、「リムジンで会場へ行く」から

始まり、「売り上げの30%をよこせ」というムチャに続き、「息が臭いから観客との距離をあけろ」という言いがかりまで、

延々と続いていた。最終日、最強と言われるスパスキーとの戦いが幕を開ける。報奨金の増額を要求し、主催者を激怒

させながら戦いに臨んだボビーだったが、惨敗に終わってしまう。



1967年、ハンガリーで国際試合に復帰し、「世界チャンピオンを目指す」と宣言したボビーは驚異の連勝を重ね、“ブルッ

クリンのダ・ヴィンチ”、“500年に一人の天才”と騒がれる。そして、とうとう世界選手権決勝で勝利し、王者スパスキーと

の対決権を掴む。アメリカ初の挑戦者に狂喜する人々。その人気ぶりは、まるでロックスターのようだった。



だが、1ゲームで銀河の星の数ほど次の手が見える“頭脳”のせいで、いつか心が極限を越えるだろうとロンバーディの

予想が当たりつつあった。ボビーは陰謀論にのめり込み、ソ連に盗聴されていると主張する。とどめに、1972年、世界

チャンピオン決定戦の開催地アイスランドへ発つ日、空港で待ち受けていたカメラにブチ切れ、逃亡してしまったのだ。



自宅に隠れていたボビーに再びチャンピオンへの挑戦を決意させたのは、ポールが取り次いだ1本の電話だった。

ニクソン大統領の補佐官キッシンジャーから、「大統領と私は君が米国のために戦うのを楽しみにしている」と告げられ

たのだ。



ようやくボビーがレイキャビクに到着、全世界のTVが中継するなか、ついに24局の戦いが始まる。緊迫の第1局、ボビー

は単純なミスを犯して負けてしまう。スタートからいきなりつまずいたボビーは、前代未聞の要求を突き付け、第2局を

ボイコットする。ところが、スパスキーが要求をのみゲームは再開、第3局でボビーはソ連のセコンドが思わず「正気じゃ

ない」と口走る手を打つ。しかし、さらにその先に誰も見たことのない驚愕の対局が待ち受けていた。





トビー・マグワイアの言葉(同パンフレットより引用)



ボビー・フィッシャーについてリサーチするために、彼のことを書いた数冊の本を読み、彼のたくさんのインタビュー

映像を観て、ボビーを実際に知る人々と話をした。ボビーはとても魅力的な人物だったと思う。彼が世界チャンピオン

になろうとする時期を調べると、試合も私生活も全てが困難に満ちていて、それが逆に映画にとって素晴らしい背景に

なると思った。



ボビーは明らかに闘争心に突き動かされていた。彼は自分を世界最強だと思っていたし、自分が世界一だと証明した

かった。だから、実力のあるライバル全員を負かすことでそれを確かなものにしたいと思っていた。でも、いわゆる普通

の社会生活を送ることは難しかったと思う。彼は、医師が精神的に問題があると診断するようなもろい男だった。



ボビーの母親は、数ヶ国語が話せる知的な人間だった。アメリカで共産主義が台頭していた時代に、彼女はそういった

主義を持つサークルと交流があり、それはアメリカが共産主義を排除しようとしていた時期でもあった。だから捜査対象

になっていた。ボビーは、そんな時代にシングルマザーと姉のもとで育った。母親は彼の面倒をよくみたと思うけれど、

彼女は活動家でもあり、知識人だった。だから、9歳の息子を家に置いて外出していた。数時間子供をみてくれる隣人

がいたら、母親は外出できた。今とは違う。今なら考えられないことだ。でも、それが普通だった。ただ、彼にとって母親

のいない場所は、恐ろしくて、居心地の悪いところだった。だから彼はチェスに救いを見出し、このゲームの駆け引きや

試合に没頭した。



純粋なゲーム、純粋な駆け引き。チェス盤の上には嘘はない。操作もない。すばらしく純粋な世界だ。相手が動き、自分

が動く。偶然も操作も嘘もない。だから彼はチェスが好きだったんだ。



 
 


フィッシャーとスパスキーの世界選手権第6局(映画の中の最後の試合)

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ロンバーディ神父がスパスキーに勝利した局(1960年)


(ロンバーディは1967年にイエズス会の神父になったが、後に会を去り結婚している。

この下の局は、フィッシャーとスパスキーの世界選手権より12年前のものである。尚、

フィッシャーとロンバーディの公式戦での対戦成績は、フィッシャーの3勝1分けである。

映画では、過去にロンバーディ神父がフィッシャーに勝ったことがあるという設定だが、

恐らく公式戦ではない早指しなどの対局だと思われる。)



Boris Spassky vs William James Lombardy
World Student Team Championship (1960) ・ Sicilian Defense: Najdorf Variation (B94) ・ 0-1


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2015年10月27日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。





2001年9月11日、同時多発テロの日。



「ブッシュ大統領に死を! アメリカに死を! アメリカなんてくそくらえ!



ユダヤ人なんかくそくらえ! ユダヤ人は犯罪者だ。



やつらは人殺しで、犯罪者で泥棒で、嘘つきのろくでなしだ。



ホロコーストだってやつらのでっちあげだ。あんなの一言も真実じゃない。



今日はすばらしい日だ。アメリカなんてくそくらえ! 泣きわめけ、



この泣きべそかきめ! 哀れな声で泣くんだ、このろくでなしども! 



おまえたちの終りは近いぞ」



2013年2月17日、亡き伝説のチェス王者・フィッシャーのこの言葉をフェイスブックで紹介したが、フィッシャーの母はユダヤ人

であり、生涯その関係は血のつながりを感じさせる温かいものであった。



なのに何故?



何が彼をそこまで追いつめたのか?



以前、郵便チェスでアメリカ人と対局したことがあるが、彼は「フィッシャーは不幸にして病んでいる」と応えていたが、アメリカ人

の多くがそう思っていることだろう。



1972年のアイスランドでの東西冷戦を象徴する盤上決戦と勝利、マスコミは大々的に報じ、フィッシャーを西側の英雄・時代の

寵児として持ち上げた。



それから43年後の2015年。



フィッシャーの半生を映画化した「完全なるチェックメイト」(原題はPawn Sacrifice)が日本でも12月25日から全国で上映される。



主演はスパイダーマンで有名なトビー・マグワイアだが、このスパイダーマンの映画の中で心に残っている台詞は、



「これから何が起ころうと僕はベン叔父さんの言葉を忘れない。『優れた能力には重大な責任が伴う』 この能力は僕の喜び

でもあり悲しみでもある。だって僕はスパイダーマンだから。」



フィッシャーとスパイダーマン、一時的にはフィッシャーは英雄となったが、彼にとって「重大な責任」とはチェスの真髄を追い

つづけることだったのかも知れない。



東西決戦の後にフィッシャーがとった奇怪な言動は、妥協を決して許さない態度が周囲との摩擦を深めていく中で、奇異な

ものとなっていったのだろう。



フィッシャーの素顔。



アメリカから訴追され、日本に居たフィッシャーをアイスランドへ出国させる為に尽力した渡井美代子さんは、フィッシャーと

スパスキーとの再戦時(1992年)に招待された時のことを次のように書いている。



「フィッシャーは誠実の人です。約束は必ず守ります。だから、会うたび違うことをいう人を(どんな些細な食い違いであった

としても)絶対に信用しません。フィッシャーは、私が希望をいえば誠実に応えてくれる最高の友です。試合のない日は私と

食事するという約束は何があっも一度も違えませんでした。どんな偉い人がきても袖にしました。」



有名な写真家Harry Bensonは、フィッシャーが亡くなった後に、「Bobby Fischer against the World」という自らが撮った

フィッシャーの写真集を出版した。



そこには、花や馬と戯れるフィッシャーがいた。



アイスランド。



盤上決戦の地であり、フィッシャーが64歳で亡くなった地。



私がチェスに関心をもつ前に、ある写真集に惹かれ、それから写真・写真集に関心を持つようになったのだが、そのきっかけ

となったのがアイスランドに近いアイルランドの写真集だったのも何かの因縁かも知れない。



 

2013年2月17日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。





「完全なる天才 天才ボビー・フィッシャーの生涯」文芸春秋 を読み終えて

(写真はフィッシャーの写真集より引用したもので世界選手権の休息日に撮られたものです。)



2001年9月11日、同時多発テロの日。



「ブッシュ大統領に死を! アメリカに死を! アメリカなんてくそくらえ!

ユダヤ人なんかくそくらえ! ユダヤ人は犯罪者だ。

やつらは人殺しで、犯罪者で泥棒で、嘘つきのろくでなしだ。

ホロコーストだってやつらのでっちあげだ。あんなの一言も真実じゃない。

今日はすばらしい日だ。アメリカなんてくそくらえ! 泣きわめけ、

この泣きべそかきめ! 哀れな声で泣くんだ、このろくでなしども! 

おまえたちの終りは近いぞ」



これはイスラム過激派の言葉ではない。この言葉は1972年という東西冷戦時のソ連にたった一人で

立ち向かい、チェスで勝利した男・ボビーフィッシャー(ユダヤ人の血をひくアメリカ人)が発したもの

である。



チェスを超えて自由主義圏の英雄ともてはやされた男が何故ここまで堕ちたのか、いや正確には追い

つめられたと言ったほうがいいのだろう。



妥協することを許さない天才。彼の言葉は物事の真実を暴こうとするが周囲からは理解されず、彼の

名声やお金に与ろうする人間によって傷つけられ、人間不信と妄想そして貧困が彼を蝕んでいく。



母子家庭で育ったフィッシャー、その乾いた心を慰めてくれたものがチェスだった。その天性の才能は

花開き、数々のドラマを生みながら目標としていた世界選手権に挑む。



相手はソ連の世界チャンピオン・スパスキーだった。スパスキーは、その天性・性格・容姿から「チェス

の貴公子」と呼ばれていたが、1968年ソ連がチェコスロバキアに軍事介入した時、スパスキーは黒の

腕章を巻いて大会に現われ、チェコの選手一人一人に握手した。ソ連政府に対して暗黙の抗議を行っ

たスパスキーは1975年フランスに亡命することになる。



一匹狼のフィッシャーと貴公子のスパスキー、この似ても似つかない二人が、1972年世界チャンピオン

の座をかけて戦い、そして20年後の1992年にも国連制裁を受けていたユーゴスラビアで再び戦う。



チェスは白と黒の全く異なる駒が戦う競技だが、それは相手がいればこそ成立する。最初は国の威信

をかけての敵同士だったが、アイスランドでの選手権の戦いを通して彼らはまるでチェスの白と黒の駒

のように惹きつけ合い、互いになくてはならない存在になっていることに気づく。



フィッシャーがアメリカ政府から起訴され、日本で無効なパスポートをもって入国したとして入管法違反

で拘留させられたときも、スパスキーは6歳年下のフィッシャーを、まるで本当の弟のように心配し、

「何故、フィッシャーだけ捕らえるんだ。私も同じ留置所に入れてくれ」と弁護している。



「フィッシャーはその天性の完全さでいつも私に特別な感銘を与えた。チェス、

そして人生の両面においてだ。妥協は一切なかった」 スパスキー



本書はフィッシャーと長年親交があった人が書いたフィッシャーの評伝であるが、単に壊れていく悲劇

の軌跡を追うだけに留まらず、稀にみる一人の天才が対局場で産み出したチェスの名局と共に、チェス

盤と同じ64マスの生涯を終えたフィッシャーの人生そのものがチェス盤そのものに映し出されたような

錯覚に陥ってならなかった。



2013年2月17日 K.K



 
 

2012年9月23日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



Tobey Maguire dans la peau de Bobby Fischer
 より引用

伝説のチェス世界チャンピオンの映画(フィンチャー監督) 



写真は他のサイトより引用しましたが、元チェス世界チャンピオン・フィッシャーをトビー・マグワイアが

演じています。



今から40年前の1972年、ボビー・フィッシャーの名前はチェスファンだけに留まらず、世界の多くの人の

記憶に刻まれました。世界チェンピオンであった旧ソ連のスパスキーと挑戦するアメリカのフィッシャー

ユダヤ人の母をもつ)、この24番勝負は米ソの東西冷戦の象徴として、世界中の注目を集めたのです。



このフィッシャーの伝記映画が来年公開されます。監督は「ソーシャル・ネットワーク」「ドラゴン・タトゥー

の女」などで知られるデヴィッド・フィンチャー。映画の主人公フィッシャーを演じるのはスパイダーマン役

で知られるトビー・マグワイアです。



マグワイアがどんなフィッシャーを演じるのか今まで全く情報がなかったのですが、上の写真を見るとま

るでフィッシャーが乗り移ったのではないかと思うほど姿や雰囲気が似ています。



奇人と知られるフィッシャーは個人的に好きですが、相手のスパスキーも私は尊敬しています。1968年

のソ連がチェコスロバキアに侵攻したチェコ動乱(プラハの春)の直後に行われた国際トーナメントで、

ソ連のスパスキーは黒の腕章をつけチェコスロバキアの選手一人一人に握手しました。



それはソ連がチェコに対して行ったことへの抗議であり、一人の人間としての謝罪でした。



私自身、正直言いまして共産主義国家には抵抗があります。旧ソ連のスターリンなどによる粛清、中国

・毛沢東のチベット侵略や粛清。



何故、共産主義は人間をこうも憎悪の虜にしてしまうのか、その答えははっきり出ませんが、チェ・ゲバラ

が「世界の何処かで、誰かが被っている不正を、心から悲しむ事が出来る人間になりなさい。それこそ、

最も美しい革命家の資質なのだから。」と言うのに対し、旧ソ連・中国の共産主義は逆にあるものへの憎

しみに囚われていたと感じてなりません。



これは哲学者の梅原猛さんも指摘していることですが、憎悪は増幅して更に多くの憎悪を産むのかも知

れませんし、共産主義だけにあてはまるものでもありません。。



チェスとは関係ない話になってしまいましたが、映画ではアメリカ的な善玉悪玉の構図でスパスキーを

描いて欲しくないと願っています。



最後に、フィッシャーは2008年スパスキーとの世界選手権が行なわれたアイスランドで、チェス盤のマス

の数と同じ64歳の生涯を終えました。



(K.K)



 

追記(2012年11月30日)


監督はフィンチャー監督が降板し、「ラスト・サムライ」のエドワード・ズウィックになっています。

 

2016年3月17日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



(大きな画像)


不死鳥のオーロラ(写真はNASAより引用)


アイスランドにて昨年9月に撮影されたものですが、オーロラを見に集まっていた人々が帰った午前3時30分、

光が弱くなっていたオーロラが突然空を明るく照らします。



場所はアイスランドの首都レイキャビクから北30kmにある所で、流れている川はKaldaと呼ばれています。



画像中央やや上にはプレアデス星団(すばる)が輝き、山と接するところにはオリオン座が見えます。不死鳥の

頭の部分はペルセウス座と呼ばれるところです。



☆☆☆



この不死鳥のくちばしの近く、やや右下に明るく輝く星・アルゴルが見えます。



アラビア人は「最も不幸で危険な星」と呼んでいましたが、それはこの星が明るさを変える星だったからです。



イギリスの若者グッドリックは、耳が聞こえず口もきけないという不自由な体(子供の時の猩紅熱が原因)でした

が1782年から翌年にかけてアルゴルの変光を追いつづけ、この星が明るさを変えるのは暗い星がアルゴルの

前を通過することによって起こる現象ではないかと仮説を立てます。



1786年、その功績によりロンドンの王立協会会員に選出されますが、その4日後にグッドリックは肺炎により

22歳の若さで他界してしまいます。



グッドリックの仮説が認められたのは100年後(1889年)の分光観測によってでした。



今から230年前の話です。



不死鳥のオーロラ、多くの魂が光の中で飛翔していますように。





Tobey Maguire ? JS Watch Company Reykjavik

アイスランド・レイキャビクにて


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2015年12月31日







麗しき女性チェス棋士の肖像

夜明けの詩(厚木市からの光景)

チェス盤に産みだされた芸術

毒舌風チェス(Chess)上達法

神を待ちのぞむ(トップページ)

チェス(CHESS)

天空の果実