「アマゾンの呪術師(シャーマン)」

パブロ・アマリンゴ/語り 永武ひかる/構成・訳

地湧社より








若い頃、その貧しさから偽造紙幣という悪に手を染めたパブロ・アマリンゴの

放浪と投獄の日々。しかし、ある女呪術師との出会いによって自らシャーマンに

なっていたことに気づく。類まれな名治療師として多くの病気を治し、今でも当時

の手腕は語り草になっているパブロ・アマリンゴ自身が、人間、宇宙、精霊につ

いて語る。平易な言葉で謙虚に語る彼の言葉には、人々のために誠実に生き

たシャーマンとしての義務と責任が横たわっている。現在のパブロ・アマリンゴ

はシャーマンからは身を引いたが、シャーマニズム的精霊世界を描く彼の絵に

は、世界各地の文化人類学者が関心を寄せ、自らも美術による教育を無償で

教えている。それはまた美術によって自然を大切に思う気持ちを高めよう、とい

う一つの環境教育でもあった。本書には、パブロ・アマリンゴが描いた不思議な

精霊世界の絵が七枚入っているが、この貴重なシャーマンとしての証言を視覚

化させたもので興味深い。尚、パブロ・アマリンゴ並びにその精霊世界の絵は

NHKでも詳しく放映されていた。

(K.K)


雑記帳「魅せられたもの」1997.10/17「奇跡」を参照されたし。


 








本書より引用


呪術師とはどんな人か? 薬草やテレパシーなどさまざまな知識と技を

駆使して、人々を癒し、心身の健康をもたらす。だが、それだけではな

い。植物を煎じて飲んで精霊世界と交信したり、大地、火、水、樹木、

動物、大気、雨や太陽など自然を活用する仕方を心得ている。人間は

これらすべての恵みを活かしながら生きるようになっている。よい呪術師

は、自然やそこに存在する霊性を尊び、信仰や神話世界を敬いなが

ら、人々を守り、霊的な教えを施す。霊的な世界について、より理解を

深めるように、教えを説く人なのだ。霊性というものは、私たちに必然な

ものだ。人間は霊的な存在なんだ。霊的な人格が形成されて人間に

なったのだから、人は本当は霊的なものごとを知りたいものなのだ。霊

性は物質よりも先に、まず初めにあるもんだ。私たちに考える能力を

与え、私たちを活気づける力だ。あらゆる言葉も霊的な存在で、それ

によって、愛とは何か、意志とは何か、慈悲とは何かを知ることが出来

る。よい呪術師はよく練られた人物でなければならない。つらいことの

浮き沈みに耐え、悪いことがらにも善意をもって前向きに対処すること

だ。自らよいことをつかむように修練が必要だ。もし悪いことに手を染

めたら、悪い呪術師に落ちぶれてしまうからね。いつでも人間は、嘘

をついたり、盗んだり、騙しとったり、殺したりしてきた。また、しょっち

ゅう、妬んだり、恨んだり、人に意地悪をしたい、という気持ちが起き

る。だから、私たちはいつも、うずうずしている悪い気持ちにとらわれ

ないように、自らを解放しておくのがよい。よい呪術師にとって重要な

三つの要素は、まず第一に謙虚なこと、そして愛があること、それから

高い霊性を持っていることだ。呪術師は学ぶための謙虚さ、悦びをも

たらすための愛、よりよく生きるための霊性を備えなければならない。

さらに、勇気があって強くなくてはいけない。強いまなざし、感情の強

さ、肉体の強さを備えていなければ、悪い呪術師や精霊に一撃を食

らわされ、殺されてしまうからね。





ある時私は精霊に連れられて、天空へと飛んだ。すると、川の水が蒸気に

なって立ち昇り、雲になり、雨が降り、川になって、海に流れそそいでいた。

川は干上がることなく、水はめぐりめぐって、もとにかえる。その様子を見るこ

とができた。そして雲の上へ上へと、さらに遠くに行って、月や太陽があるあ

るあたりから地球を見下ろすと、天体が地球にずいぶんな影響を与えている

のがわかった。太陽の<天の石>が地球へ落ちて、植物に生気を与える。

でも、もし植物がなかったら、この<天の石>が地球にたまって、人類に有

害な空気をもたらす。砂漠で人間が安らかに暮らせないのは、植物がない

からだ。さらに宇宙の極みに行って、すべてがまわりまわっていることがわ

かった。すべてのものが互いを必要として、成り立っていた。惑星や星々、

あらゆる天体でいっぱいの銀河宇宙が調和のある振動をして反響していた。

地球は、まわりの惑星たちからの影響を受けながら太陽のまわりをめぐって

いる宇宙船で、人間の大事な家なのだ。その地球がひどいことになってい

るのを見た。とても悲しくなった。人は木を伐って大気を汚してばかりいる。

むかし、地球は天井のようなもので守られていた。その頃は、月や太陽や

ほかの惑星からの悪い影響が少なく、地球は穏やかで平和だった。でもこ

の天井が崩れた時、大きな海ができて、大地より水が増えて問題になった。

だが、私たちはどうすべきかを知る知性がある。植物が成長し、人の食べ物

になるだけでなく、大気を浄化する。自然はあらゆるところでつながり合って

いる。自然とともに生きれば、本来、人はより霊性が高まり、平和になるもの

なんだ。


 
 


目次


T 呪術師(シャーマン)になる

アヤワスカとの出会い

女呪術師の治療

精霊に祝福されて呪術師になる


U 呪術師(シャーマン)の世界

呪術師とは何か

呪術師の修行

精霊の歌(イカロ) 呪術師のパワーソング

呪い

呪術師の闘い

闘いの果てに


V 植物と脳の神秘

アヤワスカの伝説

アヤワスカの秘伝

ビジョン

ガングリオ 目に見えない通信網

脳の神秘

愛について


W 森の精霊たち

精霊との旅

森の主たち

アヤチャキの教え


X 脳と恍惚(エクスタシー)

官能的なビジョン

性愛は奥深いもの

脳と恍惚

性愛のゆくえ


Y 宇宙について

宇宙の運動

地球のアングル

月の力と人間

月と動物・植物

天空から地球を見て


Z 運命

運命に影響を及ぼすもの

ペルーアマゾンに生まれて

貧しさの中で

脱走と刑務所

再生

運命と人生


解説 永武ひかる

元シャーマン、パブロ・アマリンゴとペルーの呪術世界

シャーマンの世界を描く画家

ペルーアマゾン絵画学校、ウスコアヤール

現実と理想のはざまで

アマゾンからのメッセージ





2015年11月22日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。




数年前に、ある人に出会った。彼女は看護師さんで入院している患者さんの死期が不思議なことに見えると話していた。



彼女の言葉を確信したのはあることだったのだが、このような千里眼とでもいう能力は世界の先住民やカトリック

ピオ神父などが有名)にも見られる。




アイヌでは故・青木愛子さんは知られているが、沖縄・奄美のユタは殆どが女性で、ある日突然にその兆候が現れる。



日本以外のシャーマンは男性が多く、修行を経てからのに比べると沖縄・奄美のユタは世界的にも珍しいのかも知れない。



詳しくは知らないが、日本の東北地方のイタコ(元々は先天的もしくは後天的に目が見えないか、弱視の女性の職業)や、

瞽女(ごぜ)もそうだった。



盲目の旅芸人「瞽女」、彼女たちを幸いもたらす聖なる来訪者・威力のある宗教者として昔の人々は迎え入れた。



キェルケゴールは、「真理の証人とは、その一生涯、内なる戦い、恐れ、おののき、誘惑、魂の苦悩、霊的苦痛を深く

味わい尽くした人のことである。真理の証人とは、殉教者のことである」と言った。



これに似た苦悩はイヌイット(カナダ北部の先住民)、ブラジルの先住民のシャーマン(パブロ・アマリンゴはNHKでも

特集された)、チベットのある賢者や他の宗教・芸術家にも見出すことが出来ると思う。



しかしそれとは異なる側面を持つ力もあると思う。



エクソシスト(悪魔を追い出して正常な状態に戻す賜物をもった神父)



悪魔や悪魔祓いというと、中世のキリスト教が行なった残酷な魔女裁判を思い浮かべ嫌悪するだろうし、悪魔など

過去の迷信と思っている人も多いだろう。



ただ皆さんも知っているアッシジの聖フランシスコや、前述したピオ神父は魔女裁判とは本質的に異なるもの(悪魔)

に苦しめられていた。



現代のバチカンではエクソシストになるには非常に高い徳性と経験が求められ、先ずその症状が精神性の疾患で

ないことを踏まえたうえで行なわれているが、ある特殊な賜物が与えられていない限り出来ないことだと思う。



ハワイ先住民南米大陸・アマゾン先住民のシャーマンの中には、そのような異なる側面の力を使う者がいることが

書かれているが、それは世界各地・日本でも見出せるのだろう。



ヒッグス粒子、これを神の粒子と呼ぶ人もいるが、それは物理学の次元での真理であり、神の領域とは異なるものだと思う。



宇宙創成から、現在にまで膨張を続ける宇宙、その力は完全に物理学の法則で説明(現代では不可能であっても)し得る

ものを未来の人類は見出すと思う。



ただ、それは力そのものでしかなく、その力とどのように接触するかの姿勢は別の話であると感じる。



真実の話か比喩かわからないが、ブッダは川の水面を歩く行者を見て、その修行に何の意味があるのかを問い

嘆いている。



聖書も「わたしに預言をする力があり、あらゆる奥義とあらゆる知識とに通じていても、また、山を移すほどの強い信仰

があっても、もし愛がなければ、わたしは無に等しい」(コリント人への第一の手紙)とある。



存在を慈しむことと、存在を否定することの境界。



そこには物理学の真理とは異なる次元と境界、ヴェイユの言葉を借りると「重力と恩寵」の恩寵(おんちょう、神の恵み・

慈しみ)が、私たちと神なる領域の唯一の接点であり跳躍であるのかも知れない。



私にはそれが肌を通して浸透はしていないし、冒頭の彼女のような賜物も有していない。



ただ難しいかも知れないが、方向性だけは見失いたくない。



写真は、惑星状星雲・NGC6543です。



 

2012年7月27日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。







原罪の神秘



キリスト教の原罪、先住民の精神文化を知るようになってから、この原罪の意味するところが

何か考えるようになってきた。



世界の先住民族にとって生は「喜びと感謝」であり、そこにキリスト教で言う罪の意識が入る

余地などない。



ただ、新約聖書に書かれてある2000年前の最初の殉教者、聖ステファノの腐敗していない

遺体、聖フランシスコと共に生きた聖クララの腐敗を免れている遺体を目の前にして、彼ら

の魂は何かに守られていると感じてならなかった。



宇宙、そして私たちが生きているこの世界は、未だ科学的に解明できない強大で神秘な力

に満ち溢れているのだろう。



その神秘の力は、光にも、そして闇にもなる特別な力として、宇宙に私たちの身近に横た

わっているのかも知れない。



世界最古の宗教と言われるシャーマニズムとその技法、私が感銘を受けたアマゾンのシャ

ーマン、パブロ・アマリンゴ(NHKでも詳しく紹介された)も光と闇の二つの力について言及し

ている。



世界中のシャーマンの技法の中で一例を上げれば、骨折した部分を一瞬にして分子化した

のちに再結晶させ治癒する光の技法があれば、病気や死に至らせる闇の技法もある。



これらの事象を踏まえて考えるとき、その神秘の力が遥か太古の時代にどのような形で人類

と接触してきたのか、そのことに想いを巡らすこともあるが、私の力の及ぶところではないし、

原罪との関わりもわからない。



将来、新たな遺跡発見や考古学・生物学などの各分野の科学的探究が進むことによって、

ミトコンドリア・イブを祖先とする私たち現生人類、そしてそれより先立って誕生した旧人

言われる人たちの精神文化の輪郭は見えてくるのだろう。



しかし私たちは、人類・宗教の歴史その如何にかかわらず、今を生きている。



原罪が何であれ、神秘の力が何であれ、人間に限らず他の生命もこの一瞬・一瞬を生きて

いる。



前にも同じ投稿をしたが、このことだけは宇宙誕生以来の不変の真実であり、これからも

それは変わらないのだと強く思う。



最後にアッシジの聖フランシスコが好きだった言葉を紹介しようと思います。尚、写真は

聖フランシスコの遺体の一部で大切に保存しているものです。



私の文章で不快に思われた方、お許しください。



☆☆☆☆



神よ、わたしをあなたの平和の使いにしてください。

憎しみのあるところに、愛をもたらすことができますように    

いさかいのあるところに、赦しを

分裂のあるところに、一致を

迷いのあるところに、信仰を

誤りのあるところに、真理を

絶望のあるところに、希望を

悲しみのあるところに、よろこびを

闇のあるところに、光を

もたらすことができますように、

助け、導いてください。



神よ、わたしに

慰められることよりも、慰めることを

理解されることよりも、理解することを

愛されることよりも、愛することを

望ませてください。



自分を捨てて初めて

自分を見出し

赦してこそゆるされ

死ぬことによってのみ

永遠の生命によみがえることを

深く悟らせてください。

☆☆☆☆




(K.K)



 


2012年4月20日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



ダウン症の女流書家【金澤翔子】の活動とパソコン教室日記 より引用



「ことだま」 金澤翔子さん・書 写真は他のサイトより引用



「ことだま」という言葉の響きにずっとひかれていた。



言葉というものは体の中から外の世界へ吹きだされる風、その風に乗ってつむぎだされていく。



昔の人はこの言葉に霊力があると感じてたが、そのように捉える感性を私は忘れてしまってい

るように感じる。



言葉に霊力があるから、決して嘘をついてはいけない。



これはアイヌインディアン世界の先住民族に共通する捉え方だったように思う。



しかし、私から吐き出される言葉から嘘が時どき出てしまう。



相手のことを考えた「いい嘘」もあれば、そうでない「わるい嘘」もある。



金澤翔子さんが書いた「言霊」に接すると、本来の言葉のもつ霊力を感じ、立ち戻らなければ

と感じてしまう。



(K.K)



 






シャーマニズム(シャーマン)に関する文献

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