「アナザー人類興亡史」人間になれずに消滅した傍系人類の系譜

金子隆一著 矢沢サイエンスオフィス編 技術評論社







(内容紹介より引用)



ホモ・サピエンスが誕生するまで人類は容易ならざる歴史を歩んだ。

それは、われわれの祖先の遠い血縁者であるさまざまな“アナザー人類”が生き、そして地上から

永遠に消えていった過去である。本書は彼らの数百万年の興亡を追いホモ・サピエンスの真の歴

史に迫ろうとする。




私たち人間は生態系の頂点に位置し,地球上で繁栄を謳歌しているかのようです。しかし現生人類

が生き残ったのは進化の必然か? それにはどんな理由があったのか? 本書の目的はその素朴

な疑問を解くことにあります。そのためには,ヒトが生き残るまでの間に,どのようなヒトの祖先がいて,

どういった傍系人類が生まれては消滅していったのかを追うことにしましょう。本書は最新の科学

調査をもとに,これらの滅亡していった「アナザー人類」を中心に興亡を解説し,いまの人類(ホモ・サ

ピエンス)のルーツを求める旅にいざないます。



 



目次



第1章 ヒトの進化を概観する

第2章 ヒトの居場所

第3章 最初のサルと“ミッシング・リンク”

第4章 最初の直立者たち

第5章 アウストラロピテクスの系譜

第6章 「ホモ・ハビリス」は存在したか?

第7章 ヒトの直系祖先ホモ・エレクトゥス

第8章 もっとも近い人類の仲間

第9章 最後のアナザー人類



 


本書 はじめに より抜粋引用



自然科学のどのようなジャンルにおいても言えることだが、ある時期に大発見が集中的に

重なり、ごく短期間にその分野の研究が飛躍的進展を遂げることがある。



そして、古人類学という分野もまた、いままさにそのような古今未曾有の大発展期にあるの

かもしれない。1992年にエチオピアで直立歩行を行ったとされる440万年前の生物アルディ

ピテクスが発見されたのを皮切りに、2000年にはケニアで600万年前のオロリンが、2001年

にはチャドで最大700万年前までさかのぼるサヘラントロプスが発見され、ヒトの初期進化に

関するわれわれの認識を大きく揺さぶることになったのである。



一方2003年にはインドネシアで、わずか1万2000年前まで疑問の余地なく生きていた矮性人

ホモ・フローレシエンシスの化石が発見され、われわれ現生人類が登場してからも地球上

に人知れず未知の人類が生存していたことが明らかとなった。



さらに、分子系統学、古遺伝子学、さまざまな質量分析や年代測定、化石の非破壊検査の

新技術などの導入により、同じひとつの化石からでもそこから引き出せる情報の量は年を追

うごとに急速に増大しつつある。そのおかげで、ヒトの進化の過程を見はるかすわれわれの

視野は、過去わずか20年ほどの間に驚くほど様変わりした。



しかしそれは、必ずしもヒトの辿ってきた道がより鮮明に見通せるようになったことを意味す

るわけではない。むしろ新しい化石が見つかるたびにそれまでの系統仮説が覆され、新たな

仮説の構築が始まり、それがようやくまとまってきたかと思うと、しばしば研究者間の合意が

できないうちにまた次の化石が見つかってその仮説がご破算になる、というプロセスのくり返

しとなっている。



したがって、本書はヒトの進化史を俯瞰しようとする最新の試みではあるものの、やはりそれ

も暫定的なものと言わざるを得ない。事実、本書の執筆中にも、また書き終えてから編集作

業にあたっている只中にも、次々と新しい情報が飛び込んできた。たとえば本文での記述は

間に合わなかったものの、2011年1月には、ホモ・サピエンスがアフリカを旅立ったのは12万

年以上前であったとする新説が報じられている。



これはアラブ首長国連邦の12万5000年前の遺跡から発見された石器の研究から明らかにな

った。それによると、現生人類はこの頃すでにこの地、すなわち現在のアラビア半島ペルシャ

湾沿いの地域に到達していた。彼らは従来言われていたように地中海沿岸の回廊を通って

ユーラシアに拡散したのではなく、アフリカ大陸とアラビア半島を分かつ紅海の南端の海上を

渡って直接アラビア半島南部に達した可能性が高いという。



同じく1月には地中海のクレタ島(ギリシャ)でも現生人類の作った石器が発見され、こちらは

13万年前のものと判定された。われわれは古代人の航海能力を過度に見くびってきたのかも

しれない。



化石そのもので言えば、2011年1月にイスラエルで、これまでの記録をいっきに20万年も遡る

40万年前のホモ・サピエンスの化石が発見されたとする報告がなされた。もっともこれは単に

現代人の特徴をもつ歯が9本見つかったというにすぎないが、これが事実ならヒトのアフリカ起

源説そのものが危うくなりかねない。



その少し前の2010年末には、本書第9章でもとりあげた更新世の未知の人類「デニソワ人」の

さらなるDNA解析結果が発表された。それによると、彼らはネアンデルタール人と共通の祖先

から分岐した種であり、ネアンデルタール人と同時期に東アジア一体に分布し、さらに現代人の

一部にその血統が入り込んでいることが判明したという。



2011年2月にはアウストラロピテクス・アファレンシスの中足骨が新たに発見され、彼らがすで

に土踏まずを発達させていたこと・・・・身体を垂直にして2足歩行したいたことを示唆する・・・・

が判明したと報じられた。



科学情報を扱う本はこうした新しい知見が次々と報告される中で同時並行的に書かれる宿命

にある。したがって本書もまた数年後にはさらに新しい内容に書き換えられる必要が生じる可

能性がある。



だがそのような時代だからこそ、可能なかぎり新しい情報にもとづいて、現時点における人類

進化のもっとも新しいパースペクティブを読者に提示できることが筆者の大きな楽しみであった。

古人類学という分野でいまどんな潮流が起きており、研究者たちがどこに向かおうとしているの

か、読者にそのダイナミズムの一端でも感じ取ってもらえれば筆者にとってこれ以上の喜びは

ない。 (後略)



美に共鳴しあう生命


 



金子隆一(かねこりゅういち)



日本の兵庫県神戸市生れのサイエンス・ライターである。ハードSF研究所所員。

中央大学商学部に在籍していた時から一般科学雑誌などに執筆しており,現代科学や恐竜などに

ついてのポピュラー科学書を多数執筆している。古生物学から海洋生物学,宇宙開発,先端科学な

ど幅広い分野を主な活躍の舞台としているが,熱心なSFファンでもあり,SF作品の科学的考察に関

する著作も多数ある。中でも2001年出版の『新世紀未来科学』は日本SF大賞の候補作となった。

漫画やアニメなどの科学設定の考証も手がける。1979~1980年放映の,よみうりテレビ系連続アニメ

『宇宙空母ブルーノア』でSF考証を担当,日本のアニメ初の軌道エレベーターを登場させたほか,NHK

『天才てれびくん』の1コーナーとして1993年4月から翌年1月まで放送されたアニメ「恐竜惑星」のスト

ーリーの基本を作り,2004年には軌道エレベータの実現を目指す漫画『まっすぐ天へ』(的場健画・

講談社刊)で科学設定の考証を務めている。



著作『新世紀未来科学』(八幡書店)『もっとわかる進化論』(日本実業出版社)『テラフォーミング』

(NTT出版)『スペース・ツアー』(講談社現代新書)『覇者・恐竜の進化戦略』(ハヤカワ文庫)

『恐竜学のすすめ』(裳華房)『知られざる日本の恐竜文化』(祥伝社新書)など多数。







2012年8月12日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



過ちと回心



回心すること、新しく生まれ変わること、その真の意味を私は本当に理解できているの

だろうか。



私たちは先住民に対して、太古の時代から自然と環境に調和する人々と捉えているが、

1万3000年前のアメリカ大陸では現代の私たちがしてきたことと同じように、乱獲などで

31属の大型草食動物が絶滅されたと言われている。



これはアメリカ先住民に限らず、オーストラリアのアボリジニ(最近の研究で明らかに

なりつつある)など世界各地に共通することかも知れない。



過去と現代、同じ過ちを犯していたとしても、彼ら先住民と私たち現代人の決定的な

違いは、過去から学んだ「知の遺産の継承」(国立科学博物館の海部陽介氏が提唱し

ている進化の仮説)、この場合は「回心の継承」とも言うべきものがあるかどうかなの

かも知れない。



先住民は、過去の過ちから学んだ教訓、それが回心となって魂に刻まれたが故に、

1万年以上も渡って世代から世代へと受け継がれてきたのではないだろうか。



私たち現代人は、動植物の絶滅と共に戦争など多くの悲劇を目の当たりにしてきた

が、果してそこから得られた、揺らぐことのない教訓が1万年先の人類にまで共有さ

れたものになっていくのだろうか。またそこに回心と呼べるものが存在しているのだ

ろうか。



ホモ・サピエンス(現生人類)は1万3000年前に一時陸続きになったベーリング海峡

を渡ってアメリカ大陸に来たとされているが、アメリカ先住民の多くはそれを否定し、

「自分たちは天地創造の時に亀の島(アメリカ大陸)に置かれた」と主張している。



ミトコンドリアなどの遺伝子解析から見れば在り得ないことだが、真に回心し、新しく

生まれ変わったことを体感した人ならば「今、私たちは生まれ変わり、そして今、私

たちはここに立つ」と言えるのだと思う。



この回心、それはシャーマニズムアニミズムとも関わってくるが、私自身はシャー

マニズム・アニミズムは1万3000年前より遥か太古の時代に生まれたと思っている

し、その背景にはネアンデルタール人などの旧人と言われた人の存在があったの

ではと感じている。細々と、しかし脈々と受け継がれてきた精神が1万3000年前に

多くの人々に共有され花開いたのかも知れない。



話はそれてしまったが、回心、1万3000年前の現生人類が体感したこと、それは私

が想像するより遥か高い次元での回心であったと感じてならないし、次の世代へ

継承させるために、私たちはこの回心の真の意味を心に感じることから始めなけ

ればいけないのかも知れない。



(K.K)



 

 

2012年7月27日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。







原罪の神秘



キリスト教の原罪、先住民の精神文化を知るようになってから、この原罪の意味するところが

何か考えるようになってきた。



世界の先住民族にとって生は「喜びと感謝」であり、そこにキリスト教で言う罪の意識が入る

余地などない。



ただ、新約聖書に書かれてある2000年前の最初の殉教者、聖ステファノの腐敗していない

遺体、聖フランシスコと共に生きた聖クララの腐敗を免れている遺体を目の前にして、彼ら

の魂は何かに守られていると感じてならなかった。



宇宙、そして私たちが生きているこの世界は、未だ科学的に解明できない強大で神秘な力

に満ち溢れているのだろう。



その神秘の力は、光にも、そして闇にもなる特別な力として、宇宙に私たちの身近に横た

わっているのかも知れない。



世界最古の宗教と言われるシャーマニズムとその技法、私が感銘を受けたアマゾンのシャ

ーマン、パブロ・アマリンゴ(NHKでも詳しく紹介された)も光と闇の二つの力について言及し

ている。



世界中のシャーマンの技法の中で一例を上げれば、骨折した部分を一瞬にして分子化した

のちに再結晶させ治癒する光の技法があれば、病気や死に至らせる闇の技法もある。



これらの事象を踏まえて考えるとき、その神秘の力が遥か太古の時代にどのような形で人類

と接触してきたのか、そのことに想いを巡らすこともあるが、私の力の及ぶところではないし、

原罪との関わりもわからない。



将来、新たな遺跡発見や考古学・生物学などの各分野の科学的探究が進むことによって、

ミトコンドリア・イブを祖先とする私たち現生人類、そしてそれより先立って誕生した旧人

言われる人たちの精神文化の輪郭は見えてくるのだろう。



しかし私たちは、人類・宗教の歴史その如何にかかわらず、今を生きている。



原罪が何であれ、神秘の力が何であれ、人間に限らず他の生命もこの一瞬・一瞬を生きて

いる。



前にも同じ投稿をしたが、このことだけは宇宙誕生以来の不変の真実であり、これからも

それは変わらないのだと強く思う。



最後にアッシジの聖フランシスコが好きだった言葉を紹介しようと思います。尚、写真は

聖フランシスコの遺体の一部で大切に保存しているものです。



私の文章で不快に思われた方、お許しください。



☆☆☆☆



神よ、わたしをあなたの平和の使いにしてください。

憎しみのあるところに、愛をもたらすことができますように    

いさかいのあるところに、赦しを

分裂のあるところに、一致を

迷いのあるところに、信仰を

誤りのあるところに、真理を

絶望のあるところに、希望を

悲しみのあるところに、よろこびを

闇のあるところに、光を

もたらすことができますように、

助け、導いてください。



神よ、わたしに

慰められることよりも、慰めることを

理解されることよりも、理解することを

愛されることよりも、愛することを

望ませてください。



自分を捨てて初めて

自分を見出し

赦してこそゆるされ

死ぬことによってのみ

永遠の生命によみがえることを

深く悟らせてください。

☆☆☆☆




(K.K)



 

2012年6月28日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



(大きな画像)

氷河期の記憶(写真は岩田山公園にて撮影)



太陽の魂、暖かさを地上にもたらす鳥の伝説は2月5日に投稿した「ワタリガラスの伝説」があるが、

寒冷地に住む民族ほどこのような伝説を産みだしやすいのかも知れない。



このような伝説は、7万年前から1万年までの最終氷期を生き抜いた人類が子孫に伝える教訓とし

て伝説や神話の中に生きている。



自身の「死の自覚」から神(創造主)との接点、それが神話の誕生に繋がったのかも知れないし、

それらはほぼ同時期に産まれたのかも知れない。



世界屈指の古人類学者のフアン・ルイス・アルスアガは、「死の自覚」が今から40万〜35万年前の

ヒト族に芽生えたと言っているが、それは我々の祖先と言われてきたミトコンドリア・イブ(約16万年

前)よりも遥かに古い時代である。



エレクトゥス(100万〜5万年前)、ハイデルベルゲンシス(60万〜25万年前)、ネアンデルターレンシス

(35万〜3万年前)のヒト族は既にこの世界から絶滅しているが、もし彼らに「死の自覚」、神との接点、

神話があったとしたら、それはどのようなものだったのだろう。



そして現生人類(我々)の最古の宗教であるシャーマニズム、そして現存する多くの宗教はどのよう

に関わっているのだろう。



2010年に現生人類(我々)の遺伝子にはミトコンドリア・イブだけでなくネアンデルターレンシス(ネア

ンデルタール人)の遺伝子がある可能性が指摘されたが、今後の遺伝子研究や発掘により、彼らの

真実が明らかになってくることだろう。



ただどんなに過去や未来に想いを馳せようが、我々は今この瞬間を生きていることだけは確かな

ことかも知れない。



過去未来に関わらず、すべての生命がそうであった(ある)ように。




(K.K)



 


2012年1月20日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



写真は、デニソワ人(Denisova hominin)を想像したもの。

2008年、シャーマニズムの発祥の地ロシア・アルタイ地方のデニソワ洞窟において発見される。



☆概要(ウィキペデリアより要約)



デニソワ人の化石は約4万1千年前のものとされる。80万4千年前に現生人類であるホモ・サピエンス

の共通祖先から、ネアンデルタール人・デニソワ人の祖先が分岐。64万年前(35万年前の説もある)

にネアンデルタール人から分岐した人類で、現在のメラネシア人のゲノム(遺伝情報)の4〜6%が

デニソワ人固有のものと一致している。



つまり、40万〜30万年前にアフリカを出、中東を経てヨーロッパに拡がった集団がネアンデルタール

人に、中東を経てアジア内陸部に移動した集団がデニソワ人になった。それに遅れて6万〜5万年前

にアフリカを出た我々現生人類の祖先は、中東やアジア内陸部で先住者のネアンデルタール人や

デニソワ人と交雑しながら全世界に拡がり、現在に至った。



☆個人的感想



最初に書いたシャーマニズムの発祥の地と言われるロシア・アルタイ地方は、デニソワ人が約4万年

前まで生きていました。



実は不思議な文献があります。それは「ベロボディアの輪 シベリア・シャーマンの智慧」オルガ・カリ

ティディ著です。私にはこの文献の信憑性を確かめる術もないのですが、デニソワ人の存在が明確

になったのは2008年、この文献が出版されたのがそれより10年以上も前のことです。ただ以前から

このアルタイ地方はシャーマニズム発祥の地として知られていましたのでそれを加味しながら、この

文献の引用をお読みいただけたらと思います。正直私自身これをどのように解釈していいかまだわ

からないのです。



「以来、多くの集団がシベリアに彷徨いこみ、消滅した文明の神秘的なパワーに影響された。アルタ

イ地域は新しい文化誕生の沸騰する大釜となった。人々の流れがそこから分離し、多くの異なった

方向へと遠くまで広がっていったのだ。その流れの一つが現代のイランの領域へと辿りつき、そこで、

かれらが携えていった聖なる知識がゾロアスター教として誕生した。後にこれと同じな流れがその知

識の多くをキリスト教へと伝えた。別の流れは現在のインドやパキスタンへと移住し、その地での社会

の確立がヴェーダーンダの伝統の富を生み出した。最初の知識の場にシャンバラの名前を与えた

タントラ仏教は何世紀にも亘って、その知識と直接的な交流を果たした。西に赴いた人々は、ケルト

人として知られるようになり、ドルイド教の儀式を通して、共通の源に結びつけられた。このように、

アルタイに発するこの古代文明の神秘的遺産は世界中の多くの偉大な宗教の最初の源泉となった

のだ。これらのさまざまな伝統の内部には、それぞれベロボディアと直接触れたことのある人間が

つねに存在していた。」

引用終わり



先にも書きましたが、現在のメラネシア人のゲノムの4〜6%がデニソワ人固有のものと一致していま

すが、人種的にはオーストラロイドと混血したモンゴロイド系の民族です。東部のメラネシア人社会で

は超自然力(マナ)を信仰しており、すべて形あるものに精霊が宿ると信じられていましたが、ハワイ

先住民のカフナにも超自然力(マナ)が存在します。詳しくは最近の自己啓発ブームの中で突然現れ

てきた簡略版の「ホ・オポノポノ」ではなく、「原典 ホ・オポノポノ 癒しの秘法」マックス・F・ロング著を

お読みいただけたらと思います。



デニソワ人はネアンデルタール人から分岐したらしいですが、シャーマニズムと密接な関係と言いま

すか、シャーマニズムはデニソワ人から世界に広まったと思うのが妥当ではないかと感じています。

前に投稿したネアンデルタール人もそれに似た世界観を持っていたと推察していいのではと思いま

す。64万年〜35万年前に既に人類は、ロジャー・ウォルシュが「シャーマニズムの精神人類学」で言

うように、「この人類最古の宗教的・神秘的・医学的・心理学的伝統に関しては、まだまだ多くの謎が

残されている。シャーマニズムについて探求すればするほど、人間の体、心、魂について認知されて

いない側面や可能性があることがわかる。何千年もの長きにわたり、シャーマニズムの精神は、人類

を助け、癒し、導いてきた。それはこれからも、さらなるものを与えてくれるかもしれない」と感じてなり

ません。 



発掘などで得られた情報を基に太古の世界をいろいろ想像してしまいます。

次回は「ホピの予言」に戻りますが、整理したいのでしばらく時間をください。



(K.K)



参考文献

「アナザー人類興亡史 人間になれずに消滅した傍系人類の系譜」

「生物の進化 大図鑑」マイケル・J・ベントン他(監修)

「日本人はるかな旅 展」国立科学博物館 NHK



 


2012年1月18日、フェイスブック(http://www.facebook.com/aritearu)に投稿した記事です。



写真は、DNA情報に基づき復元されたネアンデルタール人の女性です。

「存在を否定する人と存在を受け入れる人、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人」という題で

投稿します。



最初に今までわかっているネアンデルタール人に関する共有されている説の紹介と、それを根

拠にした私の妄想・暴論が続きます。



☆現在共有されている説



●約20万年前(ミトコンドリア・イブとほぼ同時期)に出現し、2万数千年前に絶滅した。

●ネアンデルタール人の脳容量は現生人類より大きく、現生人類と比較しても遜色のない知能

を有していた可能性がある。

●外見上では現生人類(ホモ・サピエンス)より顔が大きく、特に上顔部が前方に突出した突顎

であるが、写真で見てもわかるように大きな違いはない。

●何故絶滅したのか、はっきり特定は出来ていない。

●ネアンデルタール人の遺骨の近くには数種類の花粉があり、これは死者を悼む心があり、

副葬品として花を添える習慣があったと主張する人もいる。

●ヨーロッパの洞窟で発見されたフルート(人類最古の楽器)は年代的にネアンデルタール人

が作ったと主張する人もいる。

●2010年、現生人類には絶滅したネアンデルタール人の遺伝子が1-4%混入しているとの研

究結果が発表された。つまり単一起源説(ミトコンドリア・イブ)への疑問が浮上。



☆私の仮説(妄想・暴論)から先に書きます。



「ネアンデルタール人は今の先住民の特質(存在を受け入れる人)の原形であり、自然と共生

する世界観を有していた。また「人を殺すための武器を持ってはならない」ことを何らかの理由

で実践していた。一方、存在を否定する人(現生人類)は共生する世界観を否定する傾向を

特徴としていた。ネアンデルタール人の絶滅の原因はこの非暴力、並びに現生人類が持ち込

んだ感染症によるものだった。これは虐殺と共に白人が持ち込んだ天然痘などにより、免疫を

持たなかったインディアンの9割が死亡したことと共通する。



外見上、現生人類と大きな差がないネアンデルタール人と現生人類に交配があった可能性は

極めて高く、最近の研究でも裏づけられている。しかし、ネアンデルタール人は上記の理由で

ほぼ絶滅し、交配によって辛うじて現生人類の遺伝子の中にのみ刻まれた。このネアンデル

タール人の遺伝子を何らかの形で意識まで吸い上げたのが先住民族であり、その「存在を受

け入れる」先住民の世界観は世界各地で花開くこととなる。



しかし「存在を否定する」傾向の強い現生人類は自然・他者を支配しようとし、その憎悪の矛

先は自分自身へ向かい社会的・精神的な各種の病を生み出す。その混沌とした状況で生ま

れたのがイエスであり、「存在を否定する」傾向のある世界観を変えようとする。聖書が説く

「隣人愛」と「原罪」の意味はここにある。しかし現生人類は社会の安定のため外見上はキリ

スト教を容認するが、心の本質(原罪)は変わっておらず、2度目のネアンデルタール人への

虐殺(先住民虐殺)へと向かうことになる。



以上この仮説を通して私は、単一起源説(ミトコンドリア・イブ)に異を唱えるものであり、遺伝

子が消失或いは辛うじて残っている「存在を受け入れる」特質を有したネアンデルタール人も

同様に私たちの祖先として位置づけられることを願う。それはこの祖先が、私たちがどのよう

な未来を築くべきかの方向性を与える一つの座標として存在することをも意味しているからで

ある。」



☆後書き(仮説に至る経緯)



ここまで書いて自分が嫌になってきました。私の仮説はネアンデルタール人が善良な人々で

あったと美化しそれを前提としていますが、それを明確に証明するものは発掘されておりま

せんし、先住民という定義も曖昧であり他の宗教の生い立ちも省かれています。私よりも皆

さんの方が妄想と感じておられると思いますが、この妄想に至った出発点が二つあります。

科学的な側面では、ミトコンドリア・イブの子孫たちが、同時代に生きていたネアンデルタール

人などと交配することなく世界を席巻したと考えるのは余りにも不自然だからです。外見上

そう変わらないネアンデルタール人と現生人類に交配があったと考える方が極めて合理的

であり自然です。これはDNA解析技術が進歩していくと共に真実が明らかになってくるのか

も知れません。



精神的な側面では、キリスト教の言う「原罪」と先住民が共有していた「世界は美であり、私

たちは喜ぶために生きている」の大きな世界観の違いです。勿論、その土地の風土によっ

て宗教の形は変わってくるかもしれません。しかし両者には何か根本的な、というか根源的

な違いも感じるときがあります。この二つの疑問を通して、私はその答えを単にネアンデル

タール人に求め、軽薄に出した結論が上のものですが、いつかこの仮説とは異なるものを

見いだすかも知れません。



一人の馬鹿が導き出した妄想と捉えて頂けたら幸いです。またこの文章で不快な思いをさ

せてしまいましたら申し訳ありません。ただ、まだ全体像そして絶滅した原因が不明なネアン

デルタール人に少しでも関心を持っていただけたらと思い投稿しました。



今後の発掘調査によって私の想像とは180度異なったネアンデルタール人の実像が明らか

になる可能性もあると思いますが、どのような発掘であれ死者の魂を傷つけないような態度

で接することを願っています。



(K.K)



参考文献

「アナザー人類興亡史 人間になれずに消滅した傍系人類の系譜」

「生物の進化 大図鑑」マイケル・J・ベントン他(監修)

「日本人はるかな旅 展」国立科学博物館 NHK




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